第23話 防衛艦隊攻略

ハナサギにリスポーン制限をかけました」



「よくやった」



「ただ、、、、」



「なんだ?」



「ヒナタの妨害に遭って、全プレイヤーにもリスポーン制限がかかって、、、、」



「一向に構わん!黒蛇の出現率は?」



「、、、、0.03%から0.5%に引き上げました。デモンズとの戦闘に黒蛇が出現する確率は高くなりました」



「そうだ。それでいいんだ。カガリのためならなんでもやる。それが俺たちだ」



「、、、、」



⭐️⭐️⭐️



地球防衛機構の艦隊、総数百八。



その全てが集結し、デモンズを破壊せんと準備を進めている。



ピースコンパスの旗艦、『ノアの方舟』も例に漏れず戦闘準備を進めていた。



ハナサギ達は艦橋に集まっていた。



「デモンズが仮に天体破壊兵器を有しているとするなら、固まって戦闘するのは悪手よ。散開して狙いをばらけさせる必要がある。んで攻略なんだけど、、、、情報なし。そもそもあれが堕とせるものかどうかすら分からない」



「流石に堕とせるだろ。デモンズを堕とす以外に勝利条件が思いつかないし」



ミネーが腕を組んで首を傾げる。



「遊撃隊を編成してみたら?何か弱点が見つかるはず」



アリスの提案にユカが頷く。



「もうその手は打ってある」



「お、判断が速いね」



ヴァリュートがニヤッとする。



「もうメンバーは決まってるわ。プライマルクランの二人とハナサギ君、ミネーよ」



「四人?いや、いくらカガリがいるからって四人は、、、、」



ミネーが青ざめる。



「大丈夫よ。カガリ一人でどれだけの戦力になると思ってるの?それに貴方達には別の仕事があるのよ」



「別の仕事?」



「プライマルクランからの情報でね、デモンズを守る防衛艦隊がいるらしいのよ。貴方達とテリアンクランのグレイス、ブルーファイターズのメンバー達でその艦隊を潰して欲しい」



「、、、、プライマルクランはどこからその情報を?」



ミネーが尋ねる。



「、、、、さあね」



ユカが一瞬の間を置いて首をすくめる。



「分かった。その前に一旦ログアウトしても良い?」



アリスが伸びをしながら尋ねる。



「ダメよ。と言うかログアウト出来なくなってる」



「え?なんで?デモンズ堕とすまで?」



「多分ね。ヨッシーも全然ログインしてないし、何か障害が起きているのかも」



「最近見ないと思ったけど、そうなんだ」



「お前はなんでそんなに気楽そうなんだ?」



ミネーが俺に尋ねてくる。



「だってプライマルいるし、、、、」



「お前らのカガリに対する信頼度の高さは何なんだ。あいつはこの『スペースウォーリャーズ』でずっと頂点に君臨してるんだぞ?優しくしてくれるとはいえ、いつ裏切られるか、、、、」



「その心配はないよ」



ミネーの言葉は明瞭な声に遮られた。



「あ、あんたは、、、、!」



ミネーが驚く。



「あら、カガリ。どうかした?」



ユカが立ち上がって会釈する。



「突然すまない、ユカ。君のところのファナリス?だったかな、中々優秀なパイロットじゃないか。どこからあんなプレイヤーを見つけてくるんだ?」



「あれNPCよ?そんなことより何か用があるの?」



「いや、もう出撃するぞって」



「へ?もう?」



俺は腑抜けた声を出してしまった。



「俺たちは先遣隊だ。さっさと行くぞ」



カガリはそれだけ言って艦橋から出ていく。



俺とミネーは顔を見合わせてすぐにカガリを追いかける。



⭐️⭐️⭐️



『ノアの方舟』から出撃した俺たちは一旦プライマルクランの旗艦に立ち寄った。



そこでワープ装置、ロケットブースター、クローキング装置が一緒くたになったユニットを装備させられた。



「エリアルなのにここまでカスタムできるのか、、、、」



ミネーは呆然として呟いていた。



ここでエレンと合流し、四人はデモンズの元へワープしていった。



そしてまもなく、地球防衛機構の艦隊もワープをし、デモンズを墜とさんとするのだった。



⭐️⭐️⭐️



《できるだけ速やかかつ、損害を出さずに処理してちょうだい》



ユカの声が聞こえる。



周りではフル装備の味方のアーマードスーツが編隊を組んで飛んでいる。



その中にはブルーファイターズのカナとロイもいる。



『結局コイツはお咎めなしか。腐ってんな、運営。ロイは正気か?こんな運営に協力するなんて、、、、』



「チッ」



思わず舌打ちが出る。



『どうせカガリが全部掻っ攫っていくんだ。ちょっと考えれば分かるだろ』



グレイスの指示が聴こえる。



《前方に敵目標を確認。進路を維持せよ》



『まだその時じゃないか。一ヶ月後だな』



⭐️⭐️⭐️



敵の防衛艦隊の旗艦の艦橋に警報が響き渡る。



「敵襲!敵襲!数十八!アーマードスーツです!」



「対空戦闘準備!アーマードスーツの準備をしておけ!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る