惑星エデン~グレイたちの日常

 

 ここは観測船ヴィマーナ。光学カメラは勿論、赤外線、マイクロ波、X線などさまざまなセンサーをでエクウス大陸とハフリンガー亜大陸、ターパン大陸、クーラン諸島、つまりエデン全土を常時センシングしています。

恒星風を遮りバン・アレン帯を生成する十六枚の巨大なパネル、ロータスの花弁が陽光を反射するヴィマーナ本体が地上から見えたら、その船体は光る葉脈を持つ蓮の花とビスマス結晶構造に見えるし、地球の文化を知るものは階段ピラミッドを連想するかもしれません。


 観測船を周回するプローブは四基。うち一基がエデン星系外に待機する母艦イムドゥグドの許を30日かけて往復し、データベース艦天磐舟の許に採取した標本や調査資料を輸送しています。そして空になったプローブが帰ってくると満載の資料を積んだ次のプローブが出立する仕組みです。


 天磐舟には地球の映像音声記録、化石、はく製、骨格標本が収められていて、現在は地球とこの惑星エデンの相似点や異なる進化を調べています。例えば地球では昆虫は四翅六脚ですが、エデンでは六翅四脚が基準だったりします。

 また、収斂進化の形態の一つなのでしょうか、鮫と鯨・海豚が似たフォルムに進化したように、象や河馬、キリンなど、アフリカ獣類の外見に似た竜が出現しました。ここは羽毛恐竜と人間と獣人が生態系として共存している星というわけです。



 ミアキスヒューマンの使う通称【マナ】の調査は優先事項です。肉眼では見えない。光学カメラでは姿が捉えられる、サーモグラフには温度変化として何度か記録されているだけの現象です。主に二酸化ケイ素鉱物、酸化アルミニウム鉱物、炭素鉱物をを主とするジェムから四大元素を発現させたり、軽い擦過傷は勿論、内臓が飛び出す裂傷から開放骨折まで通常の何倍ものスピードで治癒させるのです。いえ、あれはもう肉体の修繕修復とか復元といったレベルです。仮説としてマナの正体はごく低温のプラズマではないかという説もありますが、プラズマの特性は有機質無機質の無作為な融合ですし。本当に不思議な現象です。








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