トイレしてたらタイムスリップしてた

鳩胸ぽっぽ

第1話

 突如として、それは訪れた。


「超お腹いたぁい……」


 天光てんこう高等学校に通う私、水原 夏月は突如として襲ってきた腹痛に悩んでいた。

 机に突っ伏し、ひたすらお腹の痛みに耐える。


「どうしたんだ?」

「夏月、どうしたの?」


 両隣の桐花きりはな かおると私の親友の一宮いちみや 春那はるなが声をかけてきた。

 春那は私の背中をさすってくれる。


「生理?」

「いや……。私の周期はもうちょい後……」

「大丈夫か? 体調悪いなら保健室連れて行ってやるが」

「うーん……」


 保健室……行きたくないなぁ。

 保健医の先生めちゃくちゃ厳しくて嫌なんだよぉ。体調悪いって前に向かったらさぼりって疑われたしいきたくねー……。

 

「トイレしたら治まるかも……。便秘かもしれないし」

「そうか。ノートは帰ってきたら俺が見せてやるからいってこい」

「頼むよ……」

「大丈夫? 私もついてく?」

「いやいいよ……。せんせー」


 私は先生にトイレ行ってきていいという許可をもらい、教室を出る。

 なんだろこの腹痛。歩くのですらやっとだった。壁に手をつきながら、なんとか女子トイレへとたどり着いたのだった。

 クレンザーのにおいがする手洗い場を抜け、個室のほうへと足を運んでいく。


 生理……はもうちょい後。周期じゃない。

 昨日食べた牡蠣……。は今朝にそういう症状が出ててもおかしくないだろうし、同じものを食べた母さんたちからは何も連絡はない。無事って聞いてくることがないので父さん、母さん、弟には何も問題がないのかもしれない。


 じゃあ便秘かな……。

 私は下着を降ろし、そのまま便座に座る。


 あまりの腹痛に、思わずスカートを握りしめてしまった。しわになってきている。

 その時だった。解放感が私を襲う。


 すっきり、さっきまで悩んでいた腹痛が嘘のように消えていった。やっぱ便秘だったんだなぁ。ため込みすぎはよくないっていうことがよくわかった!

 すべて出し切って、私はそのままルンルン気分で教室に帰ることにした。結構長いこと格闘していた。20分くらいは格闘していた気がする。


 もう授業も終わりかけだろうけど戻るか~。


「せんせーただま……お?」


 私が教室を開けると、そこには顔も知らない名前も知らない私の学校の制服を着た生徒と、顔も見たことのない先生が立っていた。










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