第17話 冒険者の講義
今日は俺も学校に着いてきてほしいとアリアに言われてアリアと一緒に馬車で登校する。
「スケさん!最近白銀って言う冒険者が有名みたいなんですの。知っていますか?」
ーさぁ?知らないなー
「なんでも突如と現れた白銀の鎧を身に纏った騎士様らしいのですけど、この間絡んできたアッシュとかいうA級冒険者をボコボコにしたみたいですの。なんでいい騎士様ですの。」
ーほう。すごいじゃないかー
「そうなんですの。でも、どこから来たのか、どこに仕えていた騎士様なのか、本当はどれくらい強いのか、どんな顔をしているのか、誰も知らない謎の多い人なんですって。ミステリアスな騎士様ってなんかいいですよね、スケさん。」
ーミステリアスで強い騎士!かっこいいよな!ー
あっ、そういえば、鑑定使われたらオートマタって魔物だってバレるな。危ない危ない。鑑定遮断のスキルを白銀に付与しておこう。
まぁ、鑑定は生まれつき持って生まれてこなれければならないから持ってるやつ少ないけどな。
ちなみに、持ってるやつは大体教会にいい給料で就職している。
「えぇ!私今度会ってお話ししてみようと思いますの!」
ーえ?ー
「楽しみですわ〜。スケさんもその時は一緒にお話ししましょ!」
あっ、それは無理です。
今日はなんと冒険者からの講義があるらしいのだ。
冒険者が貴族の学園に教えにくるなんてと思ったが、A級以上の冒険者はその強さから貴族に匹敵するほどの発言力があるらしい。
だから高ランク冒険者には貴族も気を使うとか。
馬車の中でそんな話をしていると学校に着いた。
「では、今日来てもらったのは、Sランク冒険者 リーダー アルドさんとAランク冒険者の剣士のリーナさんです。」
担任の先生が紹介する。
「チーム 奇跡の剣リーダーのアルドだ。今日は戦い方を教えに来た。よろしく頼む。」
「リーナです。よろしくお願いします。」
生徒達が歓声をあげる。
お前らかよ!!この街の高ランク冒険者はお前らしかいないのか!?
「では、まず冒険者とはなんなのかだな。まぁ、ギルドの依頼をこなしたり、魔物と戦い、その素材を売って身を立てるものや遺跡やダンジョンで新たな発見や宝物を見つけたりと人によってやってることはさまざまだ。俺たちはラストダンジョンと言われている死の迷宮のダンジョンクリアをめざしている。この間勇者に到達階層を抜かれてしまったがな。」
「やっぱり勇者様って強いんですか?」
生徒の1人が質問した。
「そうだな、さしでやったら俺と互角か勇者の辛勝ってところだろう。だが、勇者パーティーで考えたらこの迷宮都市で敵うものはいないかも知らないな。バランスがすごくいいし、一人一人が勇者並みの手だれ。チームワークもいい。」
「そんなにすごいんですね。」
「あぁ、知っての通り死の迷宮は最難関ダンジョンだ。もちろんそれを攻略しようとする冒険者は最高峰が集まる。つまり、この迷宮都市で勝てるパーティーがいないってことはやっぱり勇者パーティーは人類最強のパーティーってことかも知らないな。」
トゥルーゾンビをみて逃げ帰ってたけどな。それも仲間を置いて。まぁ、それは俺が悪かったが。
そういえば、あいつ勇者達と合流できたのかなぁ。
こうして今日一日はアルドたちによる指導が始まった。
「おっ、嬢ちゃんとそのスケルトンは。この間はすまなかったなぁ。」
指導しているアルドがアリアと俺を見つけた話しかけてきた。
「いえいえ、いいんですの。だってあのアッシュとかいうやつは白銀様にボコボコにされたんでしょ?」
アリアはスカッとした顔で言った。
「あぁ、それはもうコテンパンにやられてたよ。俺が止めに入ってなきゃ殺されてたかもしれん。」
アルドが顔を引き攣りながら言った。
「まぁ、当然の報いですの。」
「あぁ、俺からも厳重注意をしたよ。もしも次なにか大きな問題を起こしたら奇跡の剣からあいつは抜けてもらうことにした。まぁ、あいつも白銀にやられて完全にびびっちまってるから大丈夫だとは思うが。」
うんうん、ちゃんと注意してくれたんだな。
「で、どうだ。お嬢ちゃんの従魔と俺で一回試合してみるのは?リーナが負けたんだろ?俺も一度戦ってみたいんだ。」
ーは?そんなのいやにきまっー
「わかりましたわ!」
おいおい、俺が断る前に!スケルトンでこのおっさんに勝てるわけないだろ!
「おっしゃ!決まりだな。リーナここは任せた少し席を外す。」
学園は広く、庭もかなり大きい。俺たちはみんなの目が届かないところに移動した。
「さて、スケさんとらいくぞ?」
そう言ってアルドは背中の大剣を抜き、構えた。
ーえっ、ほんとにやるのか?ー
「スケさんがんばってー!」
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