第15話 Eランク冒険者昇格
俺はE級の昇格試験を受けるために冒険者ギルドに来ていた。
「Eランク試験を担当する試験官のBランク冒険者 鉄の剣リーダーのレンだ。よろしく頼む。」
スキンヘッドの古傷のある熟練冒険者って感じの人が試験官だ。
「ジンだ。今日よろしくお願いします。」
「アリです。よろしくお願いします。」
「ルーファです。今日はよろしくお願いします。」
ちなみに今日E級試験を受けるのは俺を含めて3人だ。
1人は赤髪に褐色の少年アリ。武器は短剣と弓を持っている。斥候かな?
もう1人は緑色の髪に長い耳を持っているエルフのルーファ。武器は木の杖を持っている。
そう、エルフだ。
初エルフに俺はテンション爆上げだ。やっぱりつんとした雰囲気を醸し出している。
「ふむ。どんな試験にしようか。いつもなら俺と一対一で戦う感じで試験するのだが…白銀と戦うなんてごめんだ。考えて来たのだが、3人でパーティーを組み依頼をこなしてもらうのがいいと思う。ちょうどいいパーティーになると思うんだ。」
「わかった。2人ともよろしくな。」
俺は2人にそう言って挨拶をする。確かにバランスのいいパーティーになりそうだな。
「よろしくお願いします。白銀と一緒のパーティーに入れるなんて光栄です。」
アリは目を輝かせていう。
「あぁ、よろしく頼む。」
ルーファもこちらに会釈する。
「では、依頼はE級の依頼であるフォレストブル一頭の討伐だ。依頼には俺も同行するが、俺は後ろからついていくだけ。白銀のワンマンプレーになっていたら意味ないからみんなで協力しなければ合格にはしない。以上だ。」
まぁ、そりゃそうだな。
「では、自己紹介しますね。俺は森の村で狩人をしていました。主に弓と短剣を使います。フォレストブルは村にいた時も狩っていたときも狩ったことが何回かありますので役に立つと思います。」
アリが自己紹介をする。
「俺は魔剣士だ。フォレストブルの討伐は初めてなので至らぬところもあると思うがよろしく頼む。」
「私は魔法使いだ。主に風魔法を使う。私も森にいた頃フォレストブルは狩ったことがある。ところで、白銀は魔法剣士といっていたが、どんな魔法を使うんだ?」
「んー、一番使う魔法は火魔法かな。」
嘘です。本当は死の魔法です。
「ジンさんはどこかの国の騎士だったのですか?」
「いや、俺は…騎士ではなかったな。」
少し含みを持たせて言っておこう。ミステリアスなすごく強い騎士。かっこいいだろ?
それに俺の過去はダンジョンの最下層でずっと魔物を食ってただけだ。なにも面白くないからな。
臨時で俺がリーダーになり、森に向かう。
森ではアリがフォレストブルの痕跡を追い、ルーファが森を見ながら歩ける道を探していく。
ついでに2人の森の知識で売れる薬草などの素材なども採取していく。
「ウィンドアロー。」
フォレストブルも見つけルーファがウィンドアローを放ちフォレストブルの頭部を撃ち抜き、アリが解体してギルドに帰り依頼達成となった。
…もしかしたら俺、落ちるかもしれない。
だって俺、全く仕事してない。着いて行っただけだもん。
「試験の結果を発表する!みんな合格だ。アリ、ルーファは森での知識に長けており、依頼をこなすだけではなく、その途中で素材の採取など無駄がなかった。冒険者としての素質は十分。白銀は活躍する場はなかったが、もしもこれがもっと強力な魔物の討伐依頼ならば、前衛は体力を温存し、パーティーを守る必要がある。とてもいいパーティーだった。これからのお前たちの活躍に期待する。」
こうして俺たちはEランク冒険者となった。
アリアと同じランクだ。
「あの!このままパーティーを組みませんか?僕はまだこの街に来たばかりでパーティー組んでなくて。すごくバランスのいいパーティーだなって思ったんです!」
「ふむ、確かに。私もこのパーティーで冒険したいかな。だが、白銀はどうだ?君と私達とてでは力の差がありすぎる。」
正直1人で冒険していた方が楽だし早い。だが、パーティーを組んで戦うのも楽しそうだ!
それにこの2人の強さはE級ではない。見たところ、俺と同じように登録したばかりなだけであって、アリはC級上位、ルーファはB級くらいの実力があるだろう。
「あぁ、いいだろう。だが、こちらの私用で参加できないこともある。パーティーに参加できる時だけ参加するとかでもいいか?」
「いいんですか!?」
「いいのか?」
2人が驚く。
「あぁ、構わない。これからもよろしく頼む。だが、リーダーは2人の内のどちらかがしてくれ。さすがに不定期にパーティーに加わる者がリーダーは可笑しいからな。」
「わかった。リーダーはアリがする。」
「えっ!?俺がリーダーですか?」
「あぁ、よろしく頼む。」
そうして3人でパーティーを組むことになった。相談してパーティー名はクローバーとなった。
解散となったあと、アリとルーファは夕ご飯を食べに行った。ジンはそろそろアリアが学校から帰ってくるため断り帰った。
「まさか白銀のジンさんとパーティーが組めるなんて。言ってみるもんですね。」
「あぁ、そうだな。あの鎧みたかい?すごいよね。あれ全部ミスリルだったよ。」
「えぇ!!!ミスリル!?」
アリは思わず大きな声が出てしまい急いで口を塞いだ。
「あの鎧だけでおそらく神貨数枚は必要だろうな。」
「ってことは、す、数千万G…ジンさんはなんで冒険者なんてしてるんだろう?あんなに強くてお金ももってるのに。」
「さぁ?訳ありなんだろう?だが、噂に違わず白銀は強そうだ。まぁ、パーティーの参加は不定期ということだが、私とお前の2人でもかなりバランスはいいだろう。」
「これからもよろしくお願いします。いい出会いにかんぱーい!」
2人は乾杯した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます