第4話

部屋で二人きりになる。


気まずいー。いや普通に幼馴染が家に来ただけで、俺が勝手に気まずいと思ってるだけなんだけど


「それでね、さっそく相談に乗って欲しいの」


「うん」

あー、気まずいんじゃない。辛い。


「男の人って、どんな髪型が好きかな!!」


最初からダメージがデカい。これはつまり春と付き合ったやつは、春の好きな髪型を楽しめってか、クソォぉー!!


あとこれは本人に聞く感じじゃないよね。聞き方が俺じゃなくて、男全般・・・くそぉー!!


「うーん、ポニーテルかな?」


もう今だけ、楽しむために、俺の趣味全開にしてやる。


「そうなの??ポニーテルか・・・なるほどね」


それからも質問は続く。性格、話し方、行きたい場所、趣味

はぁー、ここまで、尽くしてもらえるとは羨ましすぎる。


一通り質問タイムは終わった。


「じゃあ、今度は俺からしていいかな?」


「えっ、いいよ??なんでも聞いて!!」


「春の好きな人って誰?」


「えっ??ええええ!」


「いや、やっぱり誰か好きなのかは応援するのに大事じゃん」

本当はこんなことは聞きたくない。応援なんて、したくない。けどやっぱり俺の理想より、春の幸せの方が大事だ。


「そ、それは、言えない」


「えー、」


「ごめんね、優くん」


ホッとしたようなそうでもないような。

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