第15話 若者が結婚できない時代でございます

 マービーは沖縄生まれ、沖縄育ちです。「うちなーんちゅ」というそうです。


いままで一度もこの島を出たことがないそうです。


高校を卒業したあと、映像関係の専門学校へ入り、その後は、ラーメン店とコンビニの2つのバイトを掛け持ちしています。


実家暮らしをしていて、親に毎月お金を渡しているそうです。


6年もこの仕事をしているので、発注業務やスタッフの勤怠管理などの特別な仕事もまかされています。


「4店舗目を出すときは、店長になってもらいたいんだ」とオーナーさまが言っていました。


マービーは店長になる気があるのかどうかわかりません。

専門学校で映像の勉強したのですから、その技術が活かせる仕事をしたいと思っておられるのかもしれませんが、沖縄ではなかなかそうした職業に就けないのだとマービーはおっしゃっていました。


マービーは、袋詰めの神技という素晴らしい才能があるのに、時給950円のバイトに甘んじなければならないのです。


もちろん、仕事は、お金がすべてではありませんが、もっと評価してあげてもいいのかもしれません。


オーナーさまにそんな話をすると「たしかに、もっと給料をあげてあげたいんだけど、売り上げが伸びて、もっと利益をださなければ、それもできないんですよ。沖縄もコンビニの競合店が増えてきましたからね」とおっしゃいました。


 以前、マービーは「結婚できない」と言っていました。


「30を過ぎたけど、いつまでもコンビニとラーメン屋のバイトじゃ結婚なんてできないです」と言われるのです。


結婚し、子どもを産み育てるにはたくさんのお金が必要です。


稼ぎが少ない人は、そんなあたり前の生き方が夢のまた夢になってしまっているというのです。


マービーのように結婚をあきらめてしまった人たちが、「沖縄にはたくさんいる」とマービーはおっしゃいました。


沖縄だけでなく、日本中にもたくさんおられるのではないでしょうか。


 どうすればいいのでしょうか? 


出産した夫婦に一時金だけでなく、毎月のお手当を支給すれば解決するかもしれません。


それとも、昭和初期まで残っていた大家族制度を復活させて若夫婦も一緒に住めばいいのかもしれません。


複数の家族がお金を出し合って大きな屋敷を共同購入するという方法も考えられます。

複数の家族が協力し合えば、幼い子どもを預かってもらったり、宿題をみてもらったり、キャンプやパーティなんかもできます。


楽しそうですね。


ま、わたくしの妄想ですが、そんな楽しい生活をしている方も、おられるのではないでしょうか? 


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