某宅配大手の会社がヤバイ!

@tataneko

Y運輸がヤバイ

「2024年問題」といわれる社会問題の一つに「物流危機」があります。以前からドライバー不足が深刻な問題になっている物流業界ですが、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されるため、宅配便が予定通りに届かなくなると懸念されています。


数年前から「2024年問題」がニュース番組や経済番組で取り上げられ、物流業界がこの問題をどう乗り越えるのか興味を持ちながらも、個人的には運賃の値上げが、あらゆる商品の物価を押し上げるのではないかと不安に思っていました。


しかし、この記事を執筆している2024年3月の時点で、思わぬ形で個人的に影響を受けてしまったので、情報共有したいと思います。


2024年3月に某大手インターネット通販のR社でセールを実施していたので、ポチっと商品を購入しました。購入したのは本とドリップコーヒーです。本は、郵便受けに投函されるため受け取りの必要がありません。ドリップコーヒーは段ボール箱で届くため受け取りが必要でした。


どちらも某宅配大手のY運輸で発送するとメールで連絡がありました。私はY運輸に会員登録しているので、公式LINEからも到着予定日などが送られてきました。


Y運輸に会員登録すると、配達の時間帯や受け取り方法を指定できるようになっています。そのため購入先が配達の日時を指定できない業者でも、あらかじめ指定した時間帯や受け取り方法にY運輸が自動的に変更してくれます。


Y運輸は「2024年問題」対策として、システム的にも再配達をなるべく減らすように取り組んでいると感じていたのですが、以前から不信感を持つことがあり、今回も何かトラブルになりそうな不安がありました。


さて、私が住んでいる賃貸アパートには、宅配ボックスが設置されているため、私は宅配ボックスへの配達を指定しています。そのため、ドリップコーヒーは宅配ボックスへの配達に変更されました。


宅配ボックスは、受け取りのために家に居る必要がなく、玄関横に届けてもらう置き配のように盗難の心配もありません。自分の好きなタイミングで受け取れるので、大きな郵便受け感覚で使えて便利です。


本が最初に届く予定でした。郵便受けに投函されるため、いつ配達されるのか気にする必要はありません。しかし、その日の夕方にインターホンが鳴り、訪ねてきたのは近くの一軒家に住む親戚でした。荷物が間違えて届けられたようでした。


荷物の届け先住所には、しっかりと部屋番号まで印字されていました。普通に考えれば、一軒家の住所ではないのです。たまたま近くに同じ苗字の家があったとしても、宅配業者が間違えて配達するのはありえないし、今まで誤配送はなかったのです。


Y運輸の公式LINEからは、配達完了の連絡が届いていました。誤配送が再び起こると困るので、問い合わせフォームから間違えて配達されたことを連絡しました。日が暮れてから、Y運輸を名乗る方が謝罪に来られました。


その方が差し出した名刺はY運輸とは別の会社で、人材育成課マネージャーという肩書きでした。丁寧な言葉で「新人が配達を担当したので」とありきたりな言い訳をしていました。Y運輸の担当者に文句を言ってやろうと思っていた私は、怒りの矛先を失ってしまいました。


翌日、Y運輸の公式LINEから宅配ボックスへの配達完了の連絡が届きました。しかし、宅配ボックスのナンバーと開錠のための暗証番号が記入されていません。集合住宅のため、宅配ボックスは複数あります。


不在票に記入して郵便受けに入れたのかもしれないと思いましたが、それもありません。仕方なく公式LINEにチャットで入力すると、電話で問い合わせるようにチャットボットの返信がありました。


電話番号を見ると、固定電話からはフリーダイヤルで、携帯電話からは有料通話と書いてあります。公式LINEでやり取りした後に、固定電話を使うことを想定しているのだろうか、とモヤモヤしましたが、公式LINEの携帯用の電話番号をタップしました。


問い合わせの電話は自動応答で、○○の方は「1」を、それ以外の方は「2」をというお決まりの録音メッセージが流れてきました。ゆったりと時間をかける自動応答に、先ほどの「モヤモヤ」が「イライラ」に変わっていきます。


イライラした口調だったせいか、電話の向こうからオドオドした口調で「確認して折り返します」といわれたので、電話が鳴るのを待っていました。しばらくすると、インターホンが鳴って、宅配ボックスに入れた荷物を抱えた配達員が立っていました。


問い合わせの電話をしたり、再配達の荷物を受け取ったり、という時間と労力の無駄を省きたいので、宅配ボックスを指定しているのです。今度こそ、文句を言ってやろうと思いましたが、荷物を届けに来たのは個人事業主として配送をしている人のようでした。


この人に言っても無駄か、と思って再び怒りを飲み込みました。Y運輸は最終的な届け先となる個人に対しては、配送も問い合わせもすべて下請けに任せているようです。


働き方改革で時間外労働を減らし、人材不足を解消するために配送や電話の応答を下請けに委託するのも仕方がないのかもしれません。コスト削減も同時に達成できる一石二鳥の施策なのでしょう。


公式LINEを使ったシステムの構築も、効率化やユーザーの利便性の面で良さそうに思えます。しかし、公式LINEも、問い合わせ電話の自動応答もユーザー目線ではなく、あくまでもY運輸の効率化を重視しています。


気になって調べてみたら、携帯電話からの通話を有料にしているのは、できないのではなく、単純に電話料金をY運輸が負担したくないだけでした。Y運輸のミスであっても、通話料はユーザーが負担するようになっているのです。


かつては、Y運輸一強の時代がありました。もちろん、今でも物流業界ではY運輸の売り上げがトップです。数年前まではY運輸がサービス面でも圧倒的にトップでした。それが今では、Y運輸での発送には不安を感じるようになりました。


前述した、以前からY運輸に不信感を持っていた理由は、インターホンを鳴らさずに不在票を郵便受けに入れるというのが何度もあったからです。そのときは意味が分からなかったのですが、再配達を別の人が担当するのなら、何となく分かります。おそらく不在だろうから、インターホンを鳴らして待つ時間がもったいないので、不在票を投函したのでしょう。


Y運輸が個人向けの配送を正社員が担当していた頃は、責任感があり、届け先の人のことを考えて行動していたのでしょう。それが配送の正確性や、安心感を持つことにつながっていました。


下請け会社や個人で配送を請け負っている人は、すべての人ではないと思いますが、荷物を何個届けられるか、それだけしか考えていないのでしょう。その責任は、当然Y運輸にあります。


Y運輸は今でも売り上げトップですが、実は利益率ではS急便が大きく上回っています。Y運輸は働き方改革やコスト削減だけを考えるのではなく、商売の基本に立ち返って、サービス面の充実と、社員だけでなく下請け会社に対してもしっかり教育しないと、2024年問題を乗り越えるどころか、会社の未来がないのかもしれません。


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