★(測定不能) 私なりの笑顔


タイトル:私なりの笑顔

キャッチコピー:笑顔って何?

作者:タミ @猫部

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093082166764056


評価:★(測定不能)


【あらすじ】

「本当の笑顔」を知らない主人公 笑歌

他の人達の笑顔を見て、胸が苦しくなったが…その時、優 という子が現れる!

優 という子がきっかけで、少しずつ「笑顔」を取り戻していく笑歌。


笑歌と優は過去に繋がりあるようで……



【拝読したストーリーの流れ】

 まず最初にお断りをさせて頂きますが、本作はその大半が「詩のような文章」で構成されています。(独白のような文章にも感じますが)

 本批評の最初の『ご挨拶とルール説明』で申し上げましたが、私は「詩」や「純文学」などを評価する感性を持ち合わせておりません。

 その為、★の評価は(測定不能)とさせて頂き、批評も頑張って行いますが、見当外れの事を言ってしまう可能性がある事をご留意ください。



 他人との過剰な接触を避け、自分の心に蓋をして、笑顔を忘れてしまった主人公「笑歌」。

 だがある日、「優」が笑顔で話しかけてきて……。


 気が付くと、少しずつ笑顔を取り戻していた「笑歌」がいた……、といったお話でしょうか?



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 う~ん……。正直、この手の作品に「どんなタイトルが良いか」は全く分からないんですよね。

 ただ、インパクトというか、目を惹くタイトルではないと思います。

 同じ方向性でいくにしても、もっと美しい言葉か、むしろ汚い言葉やショッキングな言葉の方が良いと思います。(作品の雰囲気から察するに、汚い言葉はナシでしょうけど)



 続いてキャッチコピーですが、こちらも目を惹くものがないですね。

 『笑顔って何?』という疑問を目にしても、大半の読者はスルーすると思います。



 タイトル・コピーの共に、読者を惹きつける力が決定的に欠けていると感じます。

 タイトルは譲れない事もあるかも知れませんが、コピーは変えた方が良いと思いますね。



【キャラクターの批評】

 キャラですが、第5話までの時点では主人公以外はほとんど描かれていません。

 その主人公ですが、心理描写は良いと思います。

 周囲(親?)の期待に応えようとして、でも応えられなくて、失望されるのを恐れて心を閉ざす。なんて、思春期の悩みとしてはありがちですし共感性も高いと思います。

 心の動きの描写は本当に良いですね。


 ただ、それ以外は全然分かりませんでした。

 まず名前ですが、第1話で「優」から「歌ちゃん」と呼ばれた1回きりです。私は【あらすじ】を本編の後に読んだ為、主人公の名前を「歌」だと勘違いしていました。

 ついでに「笑歌」という名前も「えみか」か「しょうか」のどちらか分かりませんね。主人公の名前と共に、ルビが欲しいところです。


 そして主人公の立場です。

 恐らくは中・高校生だとは思うのですが、作中に一切書かれていませんので確信は持てません。「思春期の悩みとしてはありがち」とは書きましたが、別に成人していてはおかしい訳でもありません。


 それに続いて「優」との関係性ですね。

 【あらすじ】によれば「過去に繋がりがある」そうですが、「現在の関係」も分かりません。

 話しかけてきた状況も不明で、会話からも「初対面」なのか「一応の面識くらいはある」のか、それすら伝わってきませんでした。



【文章・構成の批評】

 「文章そのもの」は、基本的に読みやすいキレイな文章です。


 ですが、いわゆる「web小説の文章ルール」が全然できておりません。

 「文頭の一字下げ」「三点リーダーは2個セット」「カギ括弧や丸括弧の文末に句点は付けない」などが特に目立ちますね。


 また、第4話の最後で「ずぶ濡れになる前に帰ろうと思った」とあるのに、第5話では「散歩をしてもアイディアが浮かばなかったので、帰ろうと思った」と、矛盾(?)がありました。


 あと、少しですが誤字などもありました。



 続いて構成ですが、まず1話の文章量が1000文字弱と非常に少ないのですが、「詩のような文章」ですのでこのくらいでも問題ない……のですかね?


 ただ、【キャラクターの批評】で述べたように、情報量があまりにも少ないまま物語が進行するのはどうなんですかね?

 個人的には「雰囲気で察する」にも限度があると思いましたが……。


 また、第3話で「大嫌いの人」(「大嫌いな人」の誤字?)という人物が語られますが、「その人がいたせいで、私の中の私が消えた」と恨み節を語られるだけで謎の人物です。

 第5話までにはそれ以上の情報はありませんし、エピソードタイトルを見ても、多分しばらくは登場しないのではと推測します。(間違ってたらすみません)

 必要最低限の情報も無いのに、新たに謎の人物を出すのは読者に優しくないと思いますね。


 最後に「主人公の感情の吐露が早すぎる」と感じてしまいました。

 上記の通り、1話辺り1000文字弱の非常に短い構成で、「立場」や「関係性」も描けておりません。

 にも関わらず、第1話のラストで主人公は泣き出し、第2話で「優」に愚痴を聞かせます。第4話・第5話では「優」にプレゼントをしようと決め、その道中で主人公は無意識に笑顔を作ってしまいました。


 「笑顔」は本作の重要なテーマのはずですが……。読んだ私は「話が終わってしまったじゃん」と思ってしまいました。(現在、第8話まで公開されており、連載中ですが)

 与えられた情報量に対して展開が早すぎるように感じてしまいました。



【ストーリー・設定の批評】

 ストーリーですが、「笑えなくなった主人公が、親友との出会いで笑顔を取り戻す話」ですね。……なんだか少し前にも似たようなテーマの作品がありましたね。


 ここの問題ですが、【構成の批評】で述べた通り「終わってしまった」と感じてしまった事です。(あくまで個人的な感想ですが)

 これも個人的に思う事なのですが「笑顔を取り戻す話」ならば、「笑うと物語は終了」だと思います。必ずしもラストに持って来なければならないとまでは申しませんが、流石に第4話は早すぎると思います。(全何話の構成かは分かりませんが)



 設定ですが、これも前述の通り全く分かりません。

 「立場」や「関係性」もそうなのですが、一人称の独白のような書き方をされている為、「親に見捨てられた」というのも「本当にそうなのか、主人公の思い込みなのか」も分かりません。



【総評まとめ】

 総評ですが「主人公の心理描写は良い。だが、それだけ」ですね。

 あまりにも与えられた情報が少ない為、具体的な事が何1つ分かりません。

 主人公が「何を思っているのか」は分かりますが、「何者なのか」が分からないとでも言いましょうか。


 「詩」としての評価は分かりませんが、雰囲気はあると思いますし、主人公の心理は感情移入しやすいとも思いました。

 ここを評価する読者からなら、高評価を得られそうですね。

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