★0 救国の英雄〜メンタルだけなら誰にも負けねぇ〜
タイトル:救国の英雄〜メンタルだけなら誰にも負けねぇ〜
キャッチコピー:魔法がないこの世界を現代知識で無双する……と思ったけどなかなか出来ない
作者:渡辺
URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093076720562389
評価:★0
【あらすじ】
かつて栄えていた帝国は自身の力によって滅亡してしまった。生き残った人類は山々に囲まれた高度5,000mの高地へと移り住み4000年がたった後の物語
【拝読したストーリーの流れ】
高校生活の始まりを告げるような桜舞い散る快晴の朝。
主人公「石黒翔太」は、通学の途中でワームホールのような「何か」を見つけた。
それを見て「異世界に繋がっている」と予想した「翔太」だったが、異世界より高校生活を選んでワームホールのような「何か」を避けて通る……つもりが指先が触れて吸い込まれてしまった。
異世界に転移してしまった「翔太」を待っていたのは、飢餓と貧困で治安が悪化し、3度の侵略戦争(?)で敗北して兵力が半減したアルタリア王国だった。
その王侯貴族たちは「翔太」の事を救国の「救世主」と呼ぶのだった……、というお話で良いんですよね?
【タイトル・キャッチコピーの批評】
タイトルは良いと思いますね。
シンプルなメインタイトルで「国を救う物語」だという事が分かりますし、サブタイトルで「主人公の武器はメンタル」だという事も分かります。
「精神面を主人公の武器として推す作品」は多くは無く、このタイトルだけで興味を惹く読者は少なからず居るのでは、と思います。
キャッチコピーも悪くないと思います。
「魔法が無い」事と、「知識チートをしようとするが、上手くいかない」という事が分かります。設定とストーリーが簡単に伝わりますね。
「キャッチ」としては弱いと思いますが、タイトルの方で強く感じますので大きな問題にはならないかと思います。
【キャラクターの批評】
キャラクターですが、造形自体は悪くないと思います。
ややテンプレ気味ですが、それぞれのキャラに特徴があって見間違う事は無いと思います。
ただ、詳しくは【文章・構成の批評】で後述しますが、文章が酷すぎてキャラの魅力が上手く伝わりません。
文章、キャラのセリフが繋がっていない場面が多々あり、その為に言動が突飛に映り、読者の理解が追い付きません。(一応、ゆっくり読めば理解はできます)
また、キャラのセリフが「言葉足らず」なのも、読者の理解を阻害する原因ですね。
本作はセリフの割合が少し多めなのですが、そこで「言葉足らず」なのに相手のキャラはつまずく事なく理解をして話が進むので、読者は置いて行かれます。
この状態で「キャラの魅力を読者に伝える」のは、非常に困難だと思います。
【文章・構成の批評】
前述した通り、文章は酷いです。
見てもらった方が早いと思いますので、物語冒頭から引用します。
――――――――――――――――――
桜舞い散る快晴の朝、どこからともなく漂ってくる花の香りが心をくすぐる。今日は新学期。高校生活という青春の1ページが幕を開けようとする中、この物語の主人公、石黒翔太は人生の岐路に立たされていた。
「ふむふむ、高校生活か異世界生活か……どちらも捨てがたい」
翔太が道の真ん中でおかしな事を言うのには理由がある。彼の目の前に人一人通れそうな渦巻きがあった。
一見ブラックホールに見えるが、翔太は自分が死んでいないことからワームホールみたいな何か、または異世界に行くための何かだと勝手に判断する。
「ぶっちゃけ、高校2年生で来て欲しい。可愛い後輩も美人な生徒会長も、今でもいると信じてる幼馴染もいない中、異世界に希望が見えん」
翔太はそういって高校生活を選び、横を通り抜けようとした。だが渦巻きの大きさは翔太の想定より少し大きく指をかすってしまった。
「えっ、ちょっまっ」
こうして、不本意な形であるが石黒翔太の異世界生活が始まった。
――――――――――――――――――
まずは「渦巻き」「ブラックホール」「ワームホール」と表現が2転3転するのは良くないと思います。無駄に読者の理解を阻害しているように感じます。
次に「自分が死んでいない事から」「異世界に行くための何かだと判断する」が、全く意味が分かりません。
主人公には、過去に異世界転生した経験でもあるのでしょうか?
そしてその後に続くセリフも意味不明です。私には何を言っているのかは全く理解できませんでした。
かろうじて理解ができたのは「異世界転移のチャンスは2年生になってから来て欲しかった」という事でしょうか。
引用した文章から以外では、「読点が少ない」事と「誤字が多い」事が問題に感じましたね。
両方とも、無視して読むにはストレスに感じる程度には問題だと思いました。
最後に大した事の無い指摘となりますが、エピソードの文末に大量の空行があったのは、読者にとっては「意味なくスクロールの手間がかかるだけ」だと感じました。
次に構成ですが、基本的には良いと思います。
話自体は1話1話テンポよく進んでいますし、次話へのヒキも出来ているように感じます。
ですが「本作がどこへ向かって進んでいるのかが分からない」と感じました。
本作のタグには「ギャグ」「コメディ」とありますが、ちゃんとしたストーリーもあります。(「弱シリアス」というタグもあります)
その為か「ギャグ」に振り切っている訳では無く、ですが先程まで指摘した文章力のせいか「主人公の目的」や「作品自体の進む方向性」が見えないと感じました。
【ストーリー・設定の批評】
ストーリーですが「チートの無い、異世界転移コメディ作品」ですかね。
ただ先ほど申し上げたように「作品自体の方向性」は不明瞭に感じました。
今後、どのような展開になっていくのかは良い意味でも悪い意味でも予想がつきません。
設定ですが、説明不足だったり、無理があったり、とにかく「雑」だと感じました。特に違和感の合った点を2つ指摘させて頂きます。
まずは「アルタリア王国」を救う方法です。
【拝読したストーリーの流れ】で述べましたが、まず食糧不足があり、新たな土地を手に入れる為に
その対策として主人公が王様に「異世界の知識による武力」を提供しようとするのですが……。
細かく説明はされていないので断定するのは憚られるのですが、恐らく問題は「兵隊が半壊した事による労働力の低下」ではないかと思います。たぶん、「兵隊の大半は屯田兵か何か」ですよね?
もし「全てが常備軍」だったのなら、「兵数が半分になるまで」はどうやって維持していたのでしょう?
ですので、普通に考えるのなら「労働力の確保」「生産の効率化」が最優先だと思うのですが……。
「コメディ作品だから」と割り切るには、少し雰囲気が「シリアスすぎる」ように感じました。
もう1つは、第5話で主人公は「スマホを使って武器の情報を調べようとする」のですが……。異世界ですよ? ネットに繋がるのですか? それとも主人公はその手の知識のマニアで、スマホにはその手のページのスクショでも撮ってあるのでしょうか?
わざわざ電池切れのスマホを何とかしようとする所で第5話が終わってますが、こちらは先程の問題とは違い「コメディ作品」であったとしても簡単には納得できませんね。
【総評まとめ】
総評ですが、作者の渡辺さまには申し訳ありませんが「文章力が拙すぎて楽しめない作品」という感想です。
当然ですが、小説は文章のみで構成されます。その文章が酷ければ、他の何がどれだけ優れていようとも面白くはなりません。
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