★0 内見


タイトル:内見

キャッチコピー:いい物件ないかしら、にゃんズの為に

作者:淡雪

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093073110568717


評価:★0


【あらすじ】

不動産の従業員とお客さんの話



【拝読したストーリーの流れ】

 本作は「連載作品」となっておりましたが1話しか投稿されておらず、その第1話の最後には「お仕舞い」との文字で締めくくられておりました。

 本作がどういった形式の作品かは不明ですが(恐らくは「完結済み」にするのを忘れているだけだと思いますが)、1話しか投稿されておりませんので、それのみを対象として批評させて頂きます。



 作品内容ですが……、【あらすじ】の通りです。

 不動産屋の従業員が、客に物件を紹介する。ただそれだけの作品です。



【タイトル・キャッチコピーの批評】

 タイトルですが、シンプル過ぎますね。

 「誰が内見するのか?」「どんな物件を内見するのか?」「内見で、どのようなドラマが生まれるのか?」「そして、内見の結果は?」など、読者に伝えるべき情報が全くありません。



 キャッチコピーですが、ここで「猫」の存在が示唆されますね。

 もしかしたら「猫好きの読者」の目には留まるかもしれません。


 ただ、それだけのコピーですね。

 タイトルで既に「部屋を探している」のは分かり切っているのですから、ここでの情報は「猫」しかありません。



 このタイトルとコピーで、読者を惹き込むのは無理ではないかと思いますね。



【キャラクターの批評】

 本作にはキャラクター性をもった登場人物はおりません。

 登場キャラとしては「不動産屋の従業員」と「その客」の2人がいるのですが、彼らは「客に物件を勧める」「勧められた物件を契約する」だけのキャラです。

 心理描写も、何かの事件も、ドラマも、彼らにはありません。ただの「モブ」です。



【文章・構成の批評】

 本作は、1305文字と少ない文字数ですので、ハッキリとは言えませんが拙い文章だと感じました。


 まず「不動産屋の由来」が説明されるのですが、その中の文章に「徐々にではあるがお店が繁盛し始めたのである」とあるのですが、次の文では「高い物件が飛ぶように売れた」とありました。

 「徐々に繁盛」という言葉と「飛ぶように売れた」という言葉の間には、大きな印象の乖離を感じましたね。


 また、キャラの言動が唐突であり情緒に欠けます。

 心理描写が全く無い為に、キャラの行動が「その場の思い付き」のように感じてしまいました。



 次に構成ですが……。まず私には、作者さまが「本作で読者に何を見せたいのか」が分かりませんでした。

 先程も申し上げた通り、本作の話の流れは「客が不動産を内見して、契約する」だけの話です。

 では「猫」が重要な役割かというと、そうではありません。作品内では少し出てくるだけの「ただの小道具」です。


 「何を見せたいのか」が分からない作品の構成は、私には評価できません。



【ストーリー・設定の批評】

 【拝読したストーリーの流れ】で触れましたが、本作にはストーリーと呼べる内容はありません。

 ついでに申し上げるなら、メッセージ性も何も感じませんでした。

 テーマは……、「猫」ですかね?



 設定も同様ですね。

 【文章・構成の批評】で書きましたが、本作の途中で「不動産屋の由来」が語られますが、それが何の意味があるのかは私には分かりませんでした。



【総評まとめ】

 残念ながら本作は、読んでも「何も感じるものはない」という言葉しか出てこない作品でした。


 「何でもない日常の1コマ」を描いた作品は多数あります。大枠で言えば、本作もそのジャンルなのだと思います。

 このジャンルでは「日常の中にある小さな事件」であったり「日常の中の心理描写」など、ドラマ性やメッセージ性があると思われます。「日常系コメディ」なんてのもありますね。

 ですが本作には「日常」以外のものが何1つありません。


 本当に「何でもない日常」を書いた結果、「何でもない作品」となってしまいましたね。

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