貴方と朝焼け

翌朝、私は少し早く目が覚めてしまった。

カーテンを開けると貴方のように綺麗な、そんな朝焼けが目に映った。

やっぱり何を見ても今思い出すのは貴方と、貴方の溜息。

貴方と学校に行く時と何も変わらない悲しいくらいに美しいこの街は、

まだ、私たちの夢を見ているのだろうか。

こうやって貴方を避けて一日一日過ごしていく度にお互いのことを

忘れていくんだね。

「ねぇ、そうでしょう?」

私はもう横には居てくれない貴方にそう飾った。

もうずっと黙っていよう。それでいつか苛まれたとしても、別に良いんだよ。

この悲しみにさえも意味があるなら。


この醜い感情を愛と飾って、飾って、汚れた言葉を吐く。

今、今すぐに思ったことを全て。

「ここには誰も居ない」

「えぇそうね」

混ざって混ざって、汚れて、歪んで、二人の果て。

譲り合っていくだけでは意味が無いな。貴方の苦しみも教えて欲しかった。


きっとずっと分かっていた。騙し合うなんて馬鹿らしいよな。ずっと迷っていた。

レンガの建物から貴方が見えた。あぁ貴方も泣いていたのね。

ほらね。私たちは変われない。そうでしょう?互いのせいで今があるのに。

あの時から変わらず後悔しているの。

また――


愛を謳って謳って、次は雲の上と貴方に届くように。また心が濁ってきて、

日に日に増えてた後悔を夜まで語って。許し合っても今更意味無いな。

私が死んだら貴方は悲しんでくれる?

「哂い合ってさよなら」

そして"俺"は"彼女"の前でレンガの建物から飛び降りた――

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