第11話

タスクへ


 こちらの世界はあまり良いところではありません。

 何故ならこれから戦争が起きるからです。

 我がサンドニア王国はコペパン王国に攻め込むわ。死傷者が沢山出て、戦争難民はそれ以上出るでしょう。


 私は父のマウロ王に戦争をしないように直訴しました。父は苦笑すると「お前のためだ」と言い私の話を聞いてくれません。


 残念ながら王女に権限などありません。私はただのお飾りよ。

 パーティーを彩る料理や楽団と一緒の飾り物。惨めったらあらしません。

 こういう時のストレス解消法はマンガを読むに限るわ。

 悲しいかな問題の解決にはならないけどね。


 タスクはこちらの世界で冒険がしてみたいのね。

 もしこちらに来たら、私が世界を案内するわ。

 きっと楽しい旅行になるわ。


 私はそちらの異世界に憧れています。

 マンガが沢山あって、可愛らしい服が溢れていて、美味しそうなお菓子も一杯ある。

 私も四六時中そちらのことを想像しています。

 学校に通って友達一杯作って部活に入ってエンジョイする。そんな想像をよくしています。

 どうやったらそちらの世界に行けるのかしら?


 タスクのお父様が書いた本を読みました。

 とても感動しました。妻に先立たれてどうにかお父様は立ち直ったのですね。私小説というのは実話ですよね?

 ということはタスクはお母様を亡くしたの?

 よろしければ詳しく教えてください。


ソフィー

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