第7話

タスクへ


 いよいよ秋めいて来ましたね。城内の木々も紅く色づいてきてます。

タスクはいかがお過ごしですか?


 私はいつもタスクからの便りとマンガを心待ちにしている。

もうマンガなしではやっていけない身体になってしまった。

 王女の生活って忙しいと思う。普通の女の子の生活は経験した事ないので比較はできないけどね。公務、勉強、公務、公務、勉強の毎日よ。

合間をぬってマンガを読んでいます。マンガは私の灯火、心の安定剤だわ。

 マンガは本当に素晴らしいわ!サンドニア王国の国民、いやこの世界の住民すべてに読んで夢中になって欲しい。


 ちょっとだけお姫様の生活について説明するわね。嫌なことだって沢山あるのよ。

 

 この前、戦勝記念式典のパーティで、太鼓腹のデイツ陸軍大将と話したのですが、これがとてもひどかったの。デイツ陸軍大将はカンパス軍との死闘を延々と語ってくれました。

断っておくけど、私は争い事が嫌いで戦争は大っ嫌いです。


 なのにデイツ陸軍大将ときたらカンパス国民の大虐殺を誇らしげに語るの!

 長々とそれも詳細で残酷な話に、私は目まいと吐き気に襲われ倒れそうになったけど、どうにか笑顔で乗り切ったわ。今、こうして書いても頭に来ます。あの太鼓腹のタヌキ爺さんに向かって嘔吐すれば良かったわ。

 こういう好戦的で残酷な人はさっさと降格して最前線に送ると良いわね。


 私は15歳の普通の女子です。

学校に通ってみたい。友達も欲しい。


 そちらの異世界で言うと義務教育を受ける権利がある。それはマンガで読んで知っています。とても素晴らしい制度だわ!

 学校に通って勉強して友達を作るなんて素敵だわ。

部活というものも最高ね。羨ましい限りよ。


 ぜひ、そっちの世界に行ってみたい!

もし行くような事になったらお世話になるでしょうね。

それでもいいかしら?


 デジタルカメラありがとう。

説明書を一所懸命読んで使いこなせるようになったわ。これがタスクの世界の最先端の科学の結晶ね。すごいわ。


 メモリーカードというものに撮影した画像が入っています。

私のいる世界がどんな世界だか理解できると思います。


 最後に頼みがあります。

タスクの顔が見てみたい。画像を送ってもらえないでしょうか?

よろしくお願いします。


ソフィー

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