ソフィーからの手紙 異世界の王女とボトルレター!
冬森 次郎
第1話
まず始めにこのボトルレターを拾ってくれたことを感謝します。
そしてこの手紙を読んでくれていることにも感謝します。
自己紹介をします。
私の名前はソフィーと言います。
14歳の少女です。
サンドニア王国のウェザー城に住んでいます。
ボトルレターを書いたいきさつを説明します。
私がある日、城内の庭を散策していると森の中で迷子になってしまいました。あてどなく歩きまわり、疲れ切り、途方に暮れていると目の前に泉がありました。その泉は見るからに清らかで涼しげで、歩き疲れた私は泉に足を浸し休むことにしました。
すると数冊の本が打ち上げられていました。私は興味本位からその本を読んでみました。本は濡れていたみたいですが、ここ最近の暑い陽気のお陰かいびつな形で乾燥して少々読みにくかったのですが、全部読みました。
干からびた本は見たこともない芸術形式で描かれ、私の全く知らない世界が記されていました。城の図書室にもこの手の本についての記述は全くなかったのです。
そもそも、この本に使われている軽い紙も見たことがありません。
私の世界で存在しない本。
裏返してみれば、私の知らない世界の本ではないかと考えました。
そう考えると全て合点がいくのです。
この本はもしかして異世界から来たのではないか?
そうなると、私の妄想は膨らむばかりです。
いつしか私は願い乞うようになりました。異世界は存在する。その異世界は夢のような世界で見たこともない書物で一杯で、私が拾った本が存在する世界がきっとある。
そうでないと説明がつかないからです。
あの泉はもしかして異世界と繋がっているのでは?もしかしてこちらから何かを投げ入れれば、その世界に届くのでは?
私はとうとう続きが読みたい一心で手紙をしたため、ボトルに入れて泉に浮かべました。
私の願いはこの手紙を読んでくれた貴方様に是非、お返事を同じようにボトルレターで返してもらうことです。
最後に問題の本の数ページを添えておきます。それと私の国で使われている金貨を添えさせていただきます。証拠としてとっておいてください。
ソフィー
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