学校生活

キザなRye

第1話

 ある日突然宣言された“お前嫌いだから関わらないで”という言葉。これを僕に宣言してきた男子はクラスカーストのトップに位置する人物で彼に嫌われることはクラスメイトとしての自分の立場を失うことを意味する。僕自身、クラスの人たちに嫌われないように慎重に、そしてあまり目立たないように、気を付けて過ごしていた。何が嫌われる要因になったのか、自分ではあまり理解出来なかった。

 嫌いだから関わらないで欲しいと宣言された翌日から僕の学校での生活は大きく変化した。元々話しかけられることが少なかったが、宣言後からは僕のところに自分の意思で来る人は誰一人としていなかった。僕が話しかけに行こうとするとカーストが上位の人は一切話を聞いてくれず、無視のようになり、カーストが下位で僕と近い人は少し怯えながらも少しの会話ならしてくれた。それでも過ごしにくいことには変わりなかった。

 僕のクラスは男女間でスクールカーストの共有はあまりされていなかった。男子と女子のカースト上位は全員が理解してカースト上位には従うような風潮があった。一方でカーストの中位から下位の人たちは男女間でカーストを意識することはあまりなかった。

 男女間でのカーストの意識のなさからか、女子とは以前と同様に接することが出来ていた。これは僕にとっては相当な救いだったと思う。少しだけクラスで自分の存在を認めてくれるんだという安心感があった。

 宣言後から僕は学校にあまり行きたくないと思っていたが、他のクラスの人たちに救われた。部活では自分のクラスの人はいなかったのでクラスで感じる窮屈さみたいなものを感じることなく快適に過ごすことが出来ていた。クラスのときとは全く異なる感覚で過ごせるのは大きかった。

 1年ごとにクラス替えをするのであと数ヶ月耐えればより過ごしやすい環境に行くことが出来ると思えたのは僕にとってプラスの材料だった。精神的にも過ごしやすくいられたと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

学校生活 キザなRye @yosukew1616

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説

言葉

★0 恋愛 完結済 1話