第12話 私を倒しても、第二、第三の魔王が…。 2
合コンは戦争だ。銀治には意味不明だが、バンドメンバーの赤坂一樹はそう宣言する。それに他のメンバーの田宮竜一も同意し、口早に言う。
「合コンは戦場だから戦略が必要だ。まずは、合コン相手の中で最良物件の女の子をも定め、さらに、意中の相手以外の子にも好かれなけらばならない。理由は、合コンは仲の良いグループで行うから、意中の相手以外とも付き合うようになったら関係性ができることがある。そういった将来的なことを考えるなら、他の子にも好感を持たれなければならない」
「いや、お前、彼女いるのに何マジで話してんの…?」
奏が色々とのたまっていた竜一に対してそう言った。そして、訪れる沈黙。
…しばらくして、その間に何かが心を満たしたのか、奏は深く溜息をついてうなだれた。そして、周りを見渡しながら諦めたように言った。
「まあ、私の友人たちも心の底から期待してないだろうからいいか。私の平和な大学生活のための生贄になれ、ダメンズ」
「…生贄って。お前の大学の友人こそ地雷なのか」
「地雷ではない…。…ただちょっと、たまに生暖かい目で見たくなるだけだ」
「まあ、巨乳ならオケ」
「うん、とりあえずDA・MA・RE?」
…そんな感じのやり取りがあったりしながら、銀治たちはバンドメンバーの奏に、奏との大学の友人メンバーとの合コンに誘われた。ドラムの竜一は彼女がいるのに乗り気で。そして、ギターの一樹は会ってもない奏の友人が巨乳なことに期待し…。そんな感じな軽いノリで、銀治たちバンドメンバーと、バンドのベースの紅一点の奏の大学の友人たちとの合コンが決まった。
好きな人が、想い人がいる自分としては、微妙な気分なのだが、奏の大学生活での円滑な人間関係などのために、銀治も参加を承諾した。まあ、別に合コンに参加するイコール、必ず誰かと付き合わなければならないってわけでもないので、別にいいか。そんな感じで銀治は承諾してしまった。承諾してしまった。だから、彼女と接点ができてしまった。
そんな感じで、とある恋愛事情は動きだした…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます