混在

ロロムノムム

第1話

「頭っ痛ぁ~」

鉄は、左手で頭を抑えて右腕を伸びをするように伸ばした。

伸ばした腕が、何かに当たった。

右腕の方を見ると見知らぬ女が寝ていた

「誰だ?このオンナ?。」

鉄は、辺りを見渡しながら上半身を起こした。

見た事も来た事も無い部屋だった

鉄はベッドから降りて、辺りをうかがった。

「何処だよここ」

この部屋には、窓も見当たら無ければ、隣の部屋に行くドアも

見当たらない。

ただ、壁は濃い青色で統一されている。

鉄は、この広い部屋でベッド以外で唯一、目に付いた二脚のイスと

ガラスのテーブルに向かった。

「あれ?裸じゃん。」

鉄は、自分が衣一つ纏っていない素っ裸である事に気が付いた。

部屋の中は空調が効いているのか、温かかった。

鉄はおもむろに、イスに座り、テーブルに備え付けのケースを開いた、

そこにタバコがあったので火をつけて吸った。

不思議と頭痛は無くなり気分が良くなった。

タバコを吸い続けながら、イスに座る前には、ドアも見当たらなかった

壁を目で追って行くと、壁の隅に狭い通路のような所があるのに気が

付いた。

短くなったタバコを消す時に、egaの文字が見えた。

今、吸っていたタバコが薬物として、巷に出回っている [legal] だという

事に気が付いた。

たしか、このタバコのパッケージには、合法と言う意味があるIegaIの

文字が記載されていたはずだ。

が、巷では両端の[ l ]を省いて、egaをイージーエーやエガ又は

頭文字しかあってないのだがegalitarin、平等主義者などと呼ばれている

タバコだった。

なぜ、両端の[ l ]を省いたのかが、鉄にも今分かった。

タバコのフィルターに[legal] と書いてあるがその表記が横に書いてある

ために、両端の[ I ]が消えるのだ。

鉄は、タバコを揉み消して、細い通路の方に向かった。

通路は、真っ暗だったが、突き当りから光が微かに漏れていて、そこには

昨日鉄が着ていた、ダボダボのスエットとトランクスが掛かっていた。

鉄は、狭い通路のような所で服を身に付け、光の漏れている突き当りの

押し扉を押し開けた。

出た先は、更衣室の様なところだった。

右を見ると7~8のロッカーが並んでいるのが見えた。

左を見ると20くらいのろっかーが並んでいた。

その隅にあるテーブルに心が六法全集を読みながら腰かけていた。

鉄がいた部屋は、この建物内での隠し部屋の様になっている様だった。

「すまんなぁ~心。」

鉄は右手の指を上にして、手を前にして軽く一礼した。

「あの子、なんて名前なの?」

心は、喋れない為、手話で、答えた。

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