夜空.

 生糸を食んだトリの空気を斬る残羽

 その斬撃でどれほど高く圧力を失った宇宙ソラ

 飛んでいけただろう

 さながら僕は一羽の色の異なる十字架の傷を付けた潔癖な黒白の本物

 紛い者と仲間外れにされた僕は

 あの正方形の額縁タペストリーの飾った部屋から悪夢と共に飛び去った

 (―――今なら残月を繰り出せる)

 部屋の窓から身を乗り出すと

 揺らめいて候

 現れし明鏡と共に捨てられた夜空に乱れた残月.

 久遠の余弦には枝垂れ柳が一本咲いていて.

 河津桜があの自然都市中間に早くから咲いていたってさ

 本物の僕は今なら言える

 【天使は幻想】

 【悪夢は現実】

 【理想は無慈悲に消えるか、一羽】

 【深淵は間近に、聖杯は結実へ】

 向かう所は斬華

 残月を迎え

 僕の街まで

 僕の部屋から見下ろす四角形には

 君の楕円と

 双曲線に彩られたLightがまだ残痕が

 幻想風景

 僕は思想を左腕に込めて

 "忘れないで"と

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