第5章 第3節『それぞれの年末、それぞれの事情』

 マークスの巧みな欺瞞に踊らされる形でリッチー・クイーンと奇死団の事件は一応の解決を見た。迫りくるアンデッドの大軍の恐怖から解放された魔法社会は、新年を迎える準備で活気づいていた。奇死団によって壊滅させられた辺境の農村部にも少しずつ人が戻り始め、ゆるやかに平常が回復されようとしていた。

 その後、マークスは『アカデミーによる葬送』に姿を現すことはなくなり、厚生労働省からも忽然と姿を消した。問い合わせを行っても、厚労省は「セキュリティ上の理由でお答えできない」と繰り返すばかりで、その足取りを追うことはもはやできなくなってしまっていた。しかし奇死団壊滅後、それまで異様な回数で行われていた葬送の儀式は、一挙にその数を減じ、その裏で行われていた悪辣を知ることのないままに、人々は呪われた存在からの解放をただ純粋に祝い、歓迎していた。そんなある年末の深夜のことである。

 アカデミーのゲート前にひとりの人影があった。


 ずいぶんと懐かしいものだ。その人影はそう思っていた。ここから、中央図書館の展示室に侵入し、あるものを奪取するのがその目的である。中央図書館は、ゲートを入ってからまっすぐに進み、教室棟を超えて丘を登った右手にある。そこに至る道のりは比較的開けていて、身を隠す場所が少ない。その人影は慎重にあたりを警戒しながら進んでいった。

 中央路を進んでいると、奥から夜回りをしている『アカデミー所属治安維持部隊』が見えた。とっさに物陰に身を隠す。危ない、犬に見つかれば作戦が台無しになる。そう思って、治安部隊の一団が行き過ぎるまで息をひそめていた。ここから中央図書館の入り口まではまだずいぶんと距離がある。夜回りの治安部隊と再度遭遇する可能性は高い。とにかく慎重に行かなければ。自らに言い聞かせるようにして緊張感を高めた。


 ここから、教室棟を抜けて丘をのぼりきるまでは身を隠す場所がほとんどない場所が続く。意を決して丘を駆け上っていった。冬の風がずいぶんと冷たく、それは肌を切りつけるかのようであった。月明かりがあたりを照らし出している。急いで丘を登りきらなければ!そう思って駆けていく。そういえば、昔にもこんなことがあったな。そんなことを考えながら、丘の上の通りにたどり着くと、そこに立ち並ぶ柱に身を隠してあたりを見回した。

 夜回りの明かりがあちこちに見える。今夜はまたずいぶんと犬が多い。中央図書館の入り口の方を見やる。もう少しだ。雪に足跡を残さないように『浮遊:Float』の術式を行使しているが、これを使って走ると思うように速度が出ないのが難点だ。建物の屋根の下に潜り込み、そこから中央図書館の入り口に向かって一気に移動した。よし、ここまでは上々だ。

 その人影は『不触の鍵:Invisible Keys』の術式を行使してその入り口を開け、中に侵入した。月明かりの届かない図書館の中は一層暗い。入り口のカウンター脇に姿を隠し、しばし目が慣れるのを待つ。ようよういくばくかあたりの状況を確認できるようになってきた。

 3階の展示室までは、階段を上っていく必要がある。幸い夜回りの足音は丘の上にはないようだ。


 階段を上り始めれば、もはや姿を隠す場所はない。一気に3階まで行く必要がある。空を飛べる虚空のローブを身に着けてこなかったことを少しばかり後悔した。意を決して、一目散に階段を駆け上がる。浮遊の術式が効いているので足音はしないが、やはり思うように足を繰り出すことができない。2階を通りすぎ、そのまま3階まで移動した、その時だった。

「中央図書館の鍵が開いている!侵入者かもしれん。見回るぞ!」

 そういう声とともに数名の治安部隊の隊員が図書館内に入ってきた。彼女たちが手にする明かりで、館内が一気に明るくなる。急がなければ!そう思って階段を登り切り、3階の入り口に取り付く。書棚の影に身を隠し、下をうろついている治安部隊の動向を見守った。何名かが階段を上り始めた。急ごう!

 浮遊の術式の効果を切って、足音を殺しながら絨毯の上を3階奥の展示室に向かって駆けていく。そこは3階の本当に最奥に配置されているため、かなりの距離を走らなければならなかった。ちらちらと明かりが近づいてくる。後ろをたびたび振り返りながら、なんとか展示室までたどり着いた。


 そこは、アカデミーが所蔵する貴重な魔法具や本物の法石が展示されているスペースでさながら博物館といった面持ちの場所である。この広いスペースから『天使の卵の化石』なるものを探し出さなければならない。そのためにはなにより暗いのが困る。魔法光を放つ法石などがあるため、書庫に比べれば夜目が効くが、それでも展示品のラベルを読み取るのは容易ではなかった。もっと勤勉にここに通っておくべきだった。そうすれば、展示品の位置くらいは把握できていたのに。そんな思いが脳裏をよぎる。息と足音に細心の注意を払って、展示台を見て回る。なかなか見つからない。

 そうこうしているうちに展示室に明かりが灯った。犬どもだ!展示台の影に身をかがめて、行き過ぎるのを待つ。なかなか去っていかない。いらいらしながら、あたりを見回していると、そこからはす向かいに設置された展示台に、それらしいものを見つけた。あった!おもわず漏れ出そうになる声を胸の中に押し戻して、治安部隊が展示室から出ていくのをじっと待つ。彼女たちが持つ明かりが、静かに隣のスペースへと移動していった。いまだ!

 彼女は展示ブースを『不触の鍵:Invisible Keys』で開錠し、その中の展示物を手に取った。目的物はとても不思議なもので、その形状はまさに卵であったが、質感は白い化石のように乾き干からびていた。ただ、中央付近に刻まれた呪印のようなものは、ごくかすかに白い光を放っているようにも見える。


 これはいったい何に使う者なのだろう?そう考えながら、ローブの内ポケットにしまい、展示室からの脱出をはかる。物陰から、階段周辺を見回すと、そこに治安部隊の姿はない。しめた!フロアと階段ががら空きだ!

 その影は一気に階段を駆け下り、1階のフロアに至る。ここまでは順調だ。そう思った時、階上で警報が鳴る。

「展示物が盗まれている!総員、周辺警戒を怠るな!」

 そう叫ぶ声が聞こえてきた。

 どうやら見つかったようだ。ここからは追いかけっこになる。そう思い定めて、中央図書館の出口を一気に外に向かって駆け出ていた。ここから、裏門まではそれほど遠くない。入り口を出たところで、後方から声が聞こえた。

「いたぞ!追え!!」

 ここにきて見つかってしまったか。まあいい、裏門を抜ければ夜の闇に紛れることは容易だ。裏門まで懸命に駆けていく。この丘上の通りを行き切って、石段を駆け下り、左手に曲がれば裏門はすぐだ。あと少し!大急ぎで石段を駆け下りて、丘下の通りとの交差点に出たその時、丘下にいた一団と鉢合わせてしまった。

「止まりなさい!」

 そういわれて止まる馬鹿はいない。咄嗟に『衝撃波:Shock Wave』の術式を繰り出して右手から迫る一団を牽制する。

「貴様!抵抗する気か!構わん、発砲を許可する。」

 そういうと治安維持部隊は錬金銃砲を腰から抜き取り、警告射撃なしでいきなり撃ってきた。身体をかすめる弾丸をかろうじてかわしながら、一気に裏門に向かっていく。

「待て!待たんか!」

 そう言って治安部隊は銃声とともに追いかけてくる。しかし、警告射撃もなしで発砲してくるとは、これはそれほどにも価値があるものなのだろうか?いや、今はそんなことを考えている暇はない。走りながら法弾よけの障壁を展開し、どうにかこうにか裏門にたどり着く。あと少し!一気に裏門を駆け抜け、その先にある高架下の真っ暗なトンネルに駆け込んで、そのまままっすぐに夜の闇に溶け込んだ。

「まだ、近くにいるはずだ!探せ!」

 裏門近くで声が聞こえる。

 どうやらうまくまいたらしい。そっと胸をなでおろす。ローブから例のものを取り出してみると、真っ暗な宵闇の中で、それは確かにかすかながら白い光を放っていた。とても不思議なものだ。卵といえば卵だし、石の塊といえば石の塊だ。これは一体何なのか?そんなことを考えながら、再度それをローブにしまい、闇の中を駆けて行った。


 * * *


 その人影は今、『アーカム』にあった。


「これで間違いないですか?」

 そう問うと、

「ええ、これよ。ありがとう。」

 貴婦人はいつものように目を細めて言った。

「それは一体何なのですか?」

「私にとって、とても大切なもの。そして近い将来、あなたにとっても大切なものになるわ。」

「私にとっても、ですか?」

「そう。それはもう少し先のことだけれどね。」

 貴婦人は一層目を細めてからこう言った。

「アッキーナ、お茶を淹れてちょうだい。」

「なににしますか?」

 その声は少年アッキーナだ。

「そうねぇ、『ブレンダの秘密』をお願いするわ。」

「『ブレンダの秘密』ですね。少々お待ちください。」

 奥の台所らしきところから、声がした。


「あなたには、重荷を負わせて申し訳ないわね。」

「いえ、自分で選択したことですから。」

「あなたは強いのね。」

「マークスの狂気を誰かが止めなければなりません。彼のしていることは到底許されるものではありません。」

「そうね。それだけですめばよいのだけれど…。」

 貴婦人は少し言いよどむ。

「それは、どういう…?」

「そのうちにわかるわ。その時はきっとこれがあなたと縁を結ぶでしょう。」

 そういって貴婦人は、例の卵のようなものを片手に持ち、まじまじと眺めた。


「お待たせしました。」

 奥から少年アッキーナが、お盆にお茶を載せて姿を現した。


「どうぞ。」

 そういってアッキーナがお茶をふるまってくれる。

「そう言えば今日はこれも一緒にいかがですか?『ハインリヒのショコラケーキ』が手に入ったんです。」

 そういうとアッキーナは再びに奥に行き、そこからケーキを持って戻ってきた。

「これはおすすめですよ。」


「まぁ、それはいいわね。ぜひいただきましょう。」

 そういう貴婦人の前で、アッキーナがケーキを切り分けてくれる。

「それでは、いただきましょう。」

 そう言って、3人はお茶を楽しんだ。『ブレンダの秘密』というお茶は、蜂蜜のような甘みと、ほんの少しいぐみのある独特の風味のお茶であった。貴婦人の説明では、飲む者の好奇心を高め、勇敢さを増し加える効能があるのだそうだ。また、『ハインリヒのショコラケーキ』は、その見た目に反して甘さはごく控えられており、むしろチョコレートの苦みが際立つ大人の風味であった。その苦みとブレンダの秘密の甘みが何とも言えない味のハーモニーを奏でていた。


「しかし、なぜマークスはあんなことをしているのでしょう?」

 その影が貴婦人と話す。

「そうね。おそらく生命の創造に興じているのでしょう。」

「でも、彼がやっているのは、実際は…。」

「そうね。あれは間違いなく生命への冒涜ね。」

「葬送によって荼毘に付されるはずのご遺体をアカデミーから簒奪して、それを異形の生命体に変えるなんて、よくもそんな恐ろしいことを考えたものです。許せません。」

「そうね。彼は明らかに狂気にとらわれているわね。」

 そう言って貴婦人はカップを一口傾ける。

「あの、P.A.C.という術式で召喚されるのは、マークスの手によって操作されたご遺体のなれの果てだったのですね。」

「そう。死という人間の最期にして最大の尊厳を弄ぶ彼は確かに許されざる存在だわ。しかし、『魂魄の結晶』を手に入れて、彼の研究はいよいよ完成段階を迎える。しかも、彼は新しい後ろ盾を手に入れたようですから、その狂気は一層加速するでしょうね。」

「アカデミーですか?」

「そうね。アカデミーの一部が彼と手を結んだのは間違いないわね。」

「最高評議会ですか?」

「どうかしらね。まずは調べてみないと。」

「この事実を魔法社会に公表して、世論でマークスを追い込むことはできませんか?」

「そうね。その手もないわけではないけれど…。」

 貴婦人はケーキをひとかけ口に運ぶ。

「厚生労働省の高級技官とアカデミーが結託して、遺体から人為の生命体を錬成していたという事実は、社会全体に与える衝撃が大きすぎるわ。できれば、秘密裏に解決したいわね。」

「そうですか…。わかりました。私もその点に十分に配慮します。」

「そうね。ありがとう。今晩のことで、おそらくアカデミーのあなたに対する追跡は一層苛烈になると思うわ。ここにいるときは安全だけれど。外にいるときにはくれぐれも用心してね。」

「心得ています。」

「頼りにしているわ。」


 アーカムの店内を、お茶とケーキの甘い香りが芳醇に彩っている。貴婦人ともう一人は一体何を話しているのか?マークスが人為の生命体を遺体から錬成しているとはどういうことか?膨大な犠牲を生んだ奇死団事件そのものが何者かに仕組まれていたというのであろうか?ただ、その背後にマークス・バレンティウヌという人物の存在があることだけは明らかだった。


 冬の夜が白んでくる。明けの明星がまばゆく輝いていた。夜明けとともに、アーカムの戸は静かに施錠された。まもなく年が明ける。


 * * *


 ところかわって、こちらは例の3人とグランデである。マリアンヌと再会を果たし、約束が成就された一件を経て、彼女たちにもまた新たな親交の輪が芽生えていた。

 今日は4人で、歳末セールに繰り出している。奇死団の脅威から解放された魔法社会の街々は、彩りと活気を取り戻していた。買い物ならば、グランデの店である『グランデ・トワイライト』でもできるが、おしゃれな服飾を見に行こうということで、若者の街『フィールド・イン』にある有名ブランド『ラヴィ・ムーン』を訪れていた。


「あなたたちの歳なら、フィールド・インが似合うのだろうけれど、私にはもうそろそろ無理かもね。」

 グランデが笑って言う。

「そんなことないですよ。まだまだ、若いんですから。」

 グランデに応じるソーサラー。

 その傍らでは、こうした若者の街に繰り出すのに慣れていないのであろうウィザードが、おのぼりさんのようにきょろきょろしている。

「ちょっと、落ち着きなさいよ。」

「お、おぅ。こういうところはどうも慣れなくていけねぇ。」

「何言ってるのよ、こここそ乙女の街よ。」

 ソーサラーが軽やかに笑う。ネクロマンサーも微笑んでいた。


 4人が店内で談笑していると、店の奥からひとりの人物が現れた。

「いらっしゃいませ。本日は『ラヴィ・ムーン』フィールド・イン本店にようこそ。」

 そう言って出迎えてくれたのは、同ブランドの設立者であるラヴィ・ムーンその人だった。思いがけず有名人に出会えて、3人は俄かに色めきだっている。

「あなたは、『グランデ・トワイライト』主任デザイナー、グランデさんですね。実は私、あなたの大ファンなんです。あなたの錬成した『グランデ・アクオス』は当店でも重用させていただいているんですよ。お会いできて光栄です。」

 ラヴィはグランデに手を差し出した。

「こちらこそ。ご高名は存じ上げています。グランデ・アクオスを使ってくださり、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」

 グランデは握手に応じた。魔法社会における有名人ふたりの思いがけない邂逅に店内がざわめいている。

「今日は何をお探しで?」

 そう問うラヴィに、

「この子達に無理やり引っ張ってこられたのよ。私のようなおばさんは、こんなおしゃれなお店にはとても似合わないわ。」

 グランデは謙遜がちに答えた。

「あら、あなたと私は同年代でしょ?。あなたがおばさんなら、私もおばさんです。ということは、ここにある商品は全部おばさんの手によるものということになりますから、遠慮なく見て言ってくださいな。」

 そいういてラヴィはころころと笑った。

 ブランド『ラヴィ・ムーン』は主に十代の少女たちに絶大な人気を誇るブランドで、フェミニンなかわいらしいパステルカラーのアイテムが特に耳目を集めている。若者に人気のブランドとしては他に『ロコット・アフューム』があるが、こことそことで、まさに2大勢力を形成していた。店内にはありとあらゆるおしゃれアイテム、服飾、下着にいたるまで、若者向けの商品が所狭しと並んでいた。

「まさか、あなたに会えるとは思っていませんでしたよ。」

「こちらこそ、お会いできて嬉しいですわ。」

 ラヴィとグランデが楽しそうに談笑している。その後ろを3人がついてまわっていた。同じ魔法具のデザイナー同士、通じるものがあるのであろう。ふたりはすぐに意気投合して、大いに盛り上がった。その店内の華やかさに圧倒されているウィザードと実に対照的であった。

「あなたも、こんなのを着てみたらいいんじゃない?」

 ソーサラーがウィザードに下着を勧めている。


「勘弁してくれよ。あたしがこんなの着てどこにいくんだよ。」

「デートとか?」

「相手がいねぇ。」

「まぁ、そうよね。」

 そのふたりのやりとりをネクロマンサーが暖かいまなざしで見守っていた。先を行くラヴィとグランデのふたりはいよいよ話に花が咲いたようで、さまざまな商品をみてまわりながら、両ブランドでどのようなコラボレーションが可能かといったビジネスの話にまでその話題の枠を広げていた。そんなふたりの背中を見つめながら、3人は、マリアンヌを失ったグランデの心の喪失をラヴィが埋めてくれればよいのに、そんなことを考えていた。


「今日のお話の続きは、ぜひまた次の機会に。」

 そういうグランデに、

「こちらこそ。これからもいろいろ一緒にやっていきましょう。」

 ラヴィはそう応じた。


 ふたりは再度固く握手を交わしてから、その日は分かれた。帰り道、グランデは心なしか弾んでいるように見えた。


 喪失と充足、出会いと別れ、人生には様々な岐路がある。その都度その都度の選択が運命を決定づけていく。運命は決して所与のものではない。人生は与えられるものではなく、自ら紡ぐものだ。

 雪の降る街に、将来の希望に満ちた若人の明るい声がいつまでも行きかっていた。


続く。

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