第3話
「あなた様のような方が来るところではありません!」
翌日、伯母がいったチャリティ会場である教会に向かった。だが、入るまでもなく、シスター
が待ち構えており、私を見るなり、強い口調で言う。
ここに来る前にどのような場所か、話を聞いたが……世間に見放された人が慈悲に擦りに来る場所だ。
私のように予備役となって悠々自適に暮らしているようなものは、目の敵にされるであろう。
「入りません。伯母について少しお話を聞くだけです」
「ああ……おかわいそうな方。では、どんな御用でしょうか?」
シスターは祈りをささげるが、すぐに鋭い目つきを私に向けてきている。この人も私のようなものは、気に入らないのかもしれない。
――寄付でもすれば、開き直るか。
一瞬そう思ったが、やめておこう。
「伯父がなくなった日にもこちらでチャリティ活動をしていたとか。
何か気になったことはありましたか?」
「奥様はよくしていただいております。私からはそれ以上は言えません」
「なんでもいいのだ。何か、変わったことはなかったか?
例えば、誰かに会って話していたとか?」
シスターの表情が少しだけ変わった。
――やはり誰かに会ったか。
わかりやすい……いや、言葉にしないだけで察しろとでも思っているのだろう。
「何か……特徴はなかったかね。例えば、小動物を飼っているとか? ネコとか――」
「そのような余裕はない人ばかりです。こちらに来られる方は。まして、マーモセットなど……」
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