第12話 昔はよかったなんて言わないで 2

 バイトのシフトが終わって、風呂上がりの深夜帯の自室。

 

 私、有村蓮香はコスプレ用の服の型紙作りの参考に、漫画のコミックスをベッドに寝っ転がりながら読みふけっていた。

 

 様々なシーンを見ながら、頭の中で型紙を考えてみる。

 

 生地はあれを使ってとか、必要になりそうなものを思い浮かべる。

 

 …かなりの出費になりそうだ。バイトのシフトを増やしてもらった方がいいかもしれない。

 

 そう思いため息をついていたら、スマホがメッセージの着信を告げる。

 

 漫画を枕元に放り出し確認すると、親友の宮古桐子からのメッセージだった。

 

 内容は端的に言って、同級生の藤原京のSNSをチェックせよ、とのこと。

 

 そういえば監視目的で、SNSアカウントを相互フォローしていたが、まだ彼の投稿を確認していなかった。

 

 同級生の藤原京は、端的に言って地味で目立たないクラスメイトだった。

 

 どちらかと、クラス内で目立つグループに所属している自分とはあまり関わりがなかった子だ。

 

 私が勘違いして、自分と桐子のオタク趣味をバラすようなことをしなければ関わり合いになることはきっとなかっただろう。

 

 ひょんなこと。というか自分の早とちりの勘違いで、オタク趣味が彼にバレてしまい、監視目的で接するようになったが、彼も秘密を抱えている。

 

 その秘密とは…。

 

 「こっ、これは…!?」

 

 桐子に言われて確認した彼のSNSアカウントの投稿画像を見て、私は興奮した…。

 

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