第72話 田舎王子と伝説の生配信
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視聴者の前に姿を見せた、詩織は女神の様な微笑みですべてを魅了した。
〈:え?生しおりん、マジ女神?
〈:なに?もうそこら辺のアイドル裸足で駆けだしてるよw
〈:ヤバいってwVチューブ界だけでなく、映像界隈も制覇かよw
〈:もう、しおりんじゃなくて詩織様w
『皆ーー、この私 二階 詩織が出演する〈君の事を決してわすれない〉で私のライバルでもある〈花田 葉子〉役には、今人気急上昇中の人気モデル【彩羽】さんがキャスティングされてますw』
〈:はぁぁぁーヤバいヤバい!俺のリアル推しなんだが( ;∀;)
〈:マジ論争で大戦争だ!詩織様VS彩羽、世紀末だぜ!
〈:何このキャスティング、神回確定!?
〈:おいおい、こりゃまさか・・花田 はじめ役って!
『ハイハイーー!流石私の視聴者さんw察しが良いのは大好きw、〈花田 はじめ〉役で今回の主人公には今時の人となった超新星モデル【一堂 雅】さんが決まってますw』
〈:きゃーーー雅様~(*'ω'*)
〈:ダメもう私キュン死確定;;
〈:神回確定→神回決定
〈:彩羽と雅って今月号のNEW表紙コンビじゃないか!
〈:プロモ天才かよw〈君けし〉マジパネェーー
〈:はーでも、これじゃ詩織様が負けヒロイン確定よ;;
〈:マジ?!
『おおーと!マダマダ重大発表続くよー、なんと今回の〈君の事を決してわすれない〉で最終的に誰とはじめ君が結ばれるか、撮影中に決まるっていうドキュメタル方式採用だよ!』
〈:はぁぁぁ?なにそれ聞いたこと無いぞ!
〈:という事は!詩織様の勝未来も有るって事だよな!?な?皆!!
〈:前代未聞というか、スケールデカ過ぎで意味不明w
〈:でも、よく考えたら撮影の時しか顔合わせしないのに、恋愛ドキュメンタリー無理じゃね?
『はいーーw此処で最後の重大発表!!今回キャスティングされた【一堂 雅】君は私【二階 詩織】と【彩羽】の婚約者で、【彩羽】とはリアル恋のライバルなのです!W』
〈:ええええ
〈:ウェぇぇぇ
〈:ええええええーー
〈:ギャァァァァーー
『おーおー皆さんザワついてますねw良き良き、最後になりますが皆さんこの映画を見に来てくれるかな?ーーーー!』
〈:勿論!
〈:これ見なきゃ何見るの?!
〈:おいやべぇw〈君けし〉世界のトレンド1位だぜw
〈:リアル恋愛事情が映画に反映とか楽しみすぎw
〈:つか、【彩羽】って今検索したけど、マジ妖精じゃん!
〈:!?おい今同時に、映画のサイトがUPされたぞ!?
〈:え!見る見る!
〈:はぁ~ん、なにこの写真・・もうこれでキュン死;;
〈:お、おい、これ明日から全国の映画館でパンフ限定数先行販売って・・
〈:こちら、近所の映画館前!すでに徹夜覚悟の行列発見!!
『ではでは、みんなーー、〈君けし〉は8月公開予定だよ~wみんな楽しみにしててねーーーwそれじゃ配信終わります~しおりんでした☆』
この日の生配信は同時接続視聴者が100万を超え、歴代最高を記録
数時間後にUPされたアーカイブの視聴数は僅か3時間で3000万再生を超え、ネット業界だけでなく各種テレビやラジオ雑誌でも取り上げられる
「上等よ詩織、受けて立ってあげるわ」
「まさかそんな事になってたなんて・・詩織さん彩羽さん二人には負けません!」
「はぁさすが、詩織さんやねぇ大胆な手を打ってきたなぁ、まぁうち等の勝負は体育祭ですよってぇな」
「彩羽だけでなく詩織も中々根性すわってやがる!でも旦那さんと一緒になるのはアタイだけどな!」
「・・・これは、早く行動にうつさなきゃ、恵美も今晩動いてたみたいだし・・」
一方その頃の俺は・・・・
ぐっすり寝ていた
『・・・・様・・・様、・・・・御前に・・』
豪華な椅子に腰を掛ける俺はウトウトしていて目を覚ますと、目の前に傅くピンクの髪の女性が頭を下げて跪いていた
『ああ、・・・・か、今日は何だったかな?』
女性は顔を上げて、美しく優しく微笑みそっと俺の膝に顔を寄せ俺の手に自分の手を添える
『もうwお忘れですか?本日は私と・・・・で、遊覧するお約束でしたよw』
俺は思い出す仕草をして、首を傾げぐと
【チュッ】
そっと俺に口付けをする
『・・・・は、強引だな』
『・・・・様が、お忘れになってるのがイケないの御座います・・・・は、悲しゅうございます・・」
少し拗ねてる・・・・の腰に手を回し、引き寄せると今度は俺の方から口付けをする
『もう、・・・・様は、ずるいですいつもこうやって誤魔化して・・』
『ん?・・・・はこういうの嫌いか?』
『むぅぅ、答えなんかご存知なのに、申し上げません!』
俺に抱かれながらプィと顔をそむける・・・・をお姫様抱っこで抱きかかえると
『・・・・を待たせておるのだろ?さっそく行こうではないか』
『はいw・・・・様、どこまでもお供致しますw』
そう言うと俺の首に腕を回し強く抱き着いてきて、俺の耳を甘噛みしてきた
『はは、くすぐったいではないか』
『どこまでも、そう、何処までもお供致します・・・』
【ピピッピピッ】
スマホのアラームで目が覚める、相変わらず大きいベッドだ、今日の夢に出て来た女性も何処か面影が・・そう考えてると霧のように夢の中の記憶が薄れていく
昨日は、隣の部屋の詩織は帰ってこなかったようだ、俺は顔を洗う為に洗面所に向かい歯磨きをしていると、トントントンとこ気味の良いまな板を叩く音が聞こえてきた
歯磨き途中で洗面所から顔を覗かすと
「あ、雅くんおはよう!少しまってねもうすぐ朝食出来るからね」
そこには制服にエプロン姿で長い黒髪を後ろで束ねて、小皿で味見している凛が立っていた
「あ、あれ?凛今日はどうしたの?」
凜は顔を赤らめて
「そ、その、私も雅くんのお世話をしたくて・・もしかして、迷惑だった?」
すがるような目で見てくる凛に
「い、いやそんなこと無いよ!むしろ凛の作ってくれる朝食有難いです、本当に!」
そう返事をすると、笑顔で「よかったー」といって再びキッチンで味噌汁の具合を確かめにいった
「雅くん、もうすぐ出来るから、歯磨き終わったら着替えてリビングにきてね」
「うん、ありがとね凛」
途中だった歯磨きと洗顔を済ませると、部屋で制服に着替えてからリビングに向かった
既にテーブルには朝食が並んでおり、みそ汁、ご飯、卵焼き、鮭の塩焼き、お漬物が綺麗に盛り付けた状態で並んでいた
「凄く美味しそうだよ、ありがと凛」
「うふふ、お礼は食べてからでもいいよ、さぁ頂きましょう」
「「いただきます」」
凜の作ってくれたご飯はどれも美味しかった、とくに味噌汁とお漬物、鮭の塩焼きの塩加減が絶妙で田舎で俺の大好きだった食堂での味と似ていた
「凛、どれも俺の好きな味付けで最高だよ!改めて有難う!」
凜は頬を赤らめて可愛らしい微笑みで返してくれた
「ご馳走様でした!」
「お粗末様でした」
片づけは二人で分担して行い、登校する時間になったので二人で寮を後にした
「ね、ねぇ雅くん、そ、その手を・・繋いでも・・」
モジモジしながら俺の手の方に自分の手を差し出そうとしてるので
「勿論、手を繋ぎましょう!」
そう言うと俺は手を凜の方に差し出した
凜は嬉しそうに俺の手を握ったが所謂、恋人繋ぎになりそのまま反対の手て俺の腕を掴んで俺の肩に頭を寄せてきた
「そ、その凛さん、腕に当ってますよ、その・・」
「うん、気にしないでね」
凛も恥ずかしいのだろうが、それよりも嬉しそうな笑顔でこちらに微笑む
登校途中にも色々陰で言われる事が多かった
(ねぇ雅様って詩織様と彩羽さんの許嫁じゃないの?凛様ともあんなに親しくして・・)
(噂によると、他にも何人か許嫁がいるらしいのよ・・)
(ええ、もしかして私もそうだったり!)
(ないない!あんた勘違いしすぎーー)
周りの声をを無視して、ご機嫌な様子で一緒に登校する凛がふと思い出したように俺の方を見上げて
「ねぇ、雅くん今晩ってお仕事とかの予定とかあるのかな?」
放課後は、実行委員会の打ち合わせがあるだろうけど、映画の撮影は土日だし、許嫁達の引っ越しは週末の夜と聞いてる
「夜は特に何もないかな?」
そう聞くと嬉しそうにする凜が
「じゃぁさ!前に約束したように、家においでよ!お母さんがいつ連れてくるのかって毎日聞かれてて!ね!いいでしょ?」
確かにエレンさんや洋一さんには、また来ますって言ってから一度もお邪魔してないし、それはそれで失礼だったかもしれない・・
「うん、分かった!それじゃ今晩は凜の所でご厄介になろうかな?」
凜はその場で飛び跳ねて喜んだ
「わーい!やった!、それじゃ早速家に連絡しとくね!」
そういうと俺と手を繋いだままスマホを器用にタップしてどこかに電話を始めた
「あっお母さん?、うん、うん、そう今雅くんと一緒に学校行ってる、うん、うんそうそう、それじゃお願いするね!お泊りの用意」
ん?
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