第67話 田舎王子 許嫁達に問い詰められる
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『・・・様、・・様、このような所で寝ておられたのですね・・4門の面々があちこち探してましたよ・・』
『ああ、・・・か、すまないこの美しく輝く花々に囲まれていると、ついつい』
『フフ、私の花達を気に入って貰えて嬉しいです』
緑がかった髪の美しい女性は、そう微笑みながら俺の横に添い寝する
『では、私もご一緒させていただますね』
そう言いながら俺の頬を優しく撫でる、俺は女性の方を改めて向く事なく何処までも澄み渡った青い空を眺めていた
【ピッピッピ】
スマホのアラームが鳴る、どこか懐かしくも切ない気持ちになったが、今は靄がかかり夢の事を思い出せない。
大きすぎるベッドの上で、天井に右手を伸ばす
(もう右手も痛くないし、気も上手く循環しってる・・すっかり元通りだ、昨日彩羽とキスしたあとから少し調子が良くなったな・・なんだ?)
ベッドから起き上がり、洗面所に行き顔を洗っているとキッチンから良い匂いがする
「みーくん、おはよーーw、朝ごはん出来てるよーーーw」
キッチンから制服にピンクのエプロンを付けた、詩織がヒョコッと顔を覗かす
「ああ、詩織いつもありがと」
洗面を終えリビングに向かい詩織と二人には少し大きいテーブルに着くと、手を合わせてから詩織の作ってくれた朝食を頂く
「うんうん、いつもながら美味しいよ」
味噌汁と鮭の塩焼きと卵焼きにご飯とお漬物という至ってシンプルな朝食だがどれも美味しい
詩織は嬉しそうに笑いながら頷くが、すぐに不機嫌そうな顔になる
「はぁ昨日みーくんが浮気してなかったら、もーーっと楽しい朝食だったのになぁーーー」
俺が驚くと
「空さん、静流さん、それに彩羽さん・・特に彩羽さんはみーくんとキスしたって・・」
「あ、あれは!突然で・・そ、その・」
詩織は呆れた様子で首を振り
「まぁ、みーくんのファーストキスは彩羽さんじゃないしーーw」
「え?!」
「まぁいいじゃないw、早く食べてから一緒に学校にいこw」
俺の記憶だと、ああいうのは彩羽が最初だと思っていたが・・気になるが澄ました顔で朝ごはんを食べる詩織は何も教えてくれそうに無かった
「「行ってきまーーす」」
二人で玄関を出て、学校に向かい登校する
「ねねwみーくん腕組んでいこw」
詩織は俺の左腕に自分腕を絡めると、体を密着させてくる
「あ、あの詩織?あ、当たってるんだが・・」
「えぇーーwうんうん、ワザとだよ~んw」
すれ違う人は何やらコソコソ言われながら指を差されたり、酷い人は後ろから二人で腕を組んでる写真を撮られたりした。
【あ、あれ、一堂 雅だよな!白鳥 乙子の孫で、大人気モデルの!】
【一緒に居る子、メッチャ可愛いけど、彼女かな?】
【これ、写真をSNS上げたらバズるんじゃない?人気モデルの恋愛事情とかw】
知名度が上がると好意的な目で見てくれる人だけでなく、悪意の籠った目でみてくる人もいる、少し悲しい気持ちになるが
「アハハ、おっかしいwネット情報戦でアタシに敵う訳ないのにw」
詩織は、全く気にしてない感じでさらに俺に密着してくる
「し、詩織!?ちょっと、密着しすぎじゃないかなぁ?」
「だ~めw、みーくんから他の女の匂を消さなきゃw」
そういうと俺の胸に自分の頬を寄せてスリスリしてくる
「あーーー!雅先輩!、いつもの裏から来ないと思ったら、二階先輩と一緒に登校なんて!」
後ろから声をかけられ振り向くと、腰に手を当てて怒ってる桃花だった
スーと俺の横から桃花の前に出る詩織は
「あ~w生徒会長の妹さんねぇ、恵美さん推しの副会長だったかな?w」
詩織の妙な気配に少し怯む桃花
「そ、それが、どうしたんですか?」
「多分今日中に、お姉さんから話があると思うけども、推し会同士で暫く協定を結ぶ事になると思うからw今はおとなしくしとこうね~w」
そういうとポンポンと桃花の頭を軽く叩き、後ろからは見えないが桃花の怯える表情から察するにあのハイライトの消えた目で睨まれているのだろう
「あ、貴方達!き、今日は一旦引くわよ!」
そういうと守護者(ガーディアンズ)を引き連れて慌てて学校の方に走っていった
「さw邪魔者は消えたから、私達も学校にいこw」
そう言うと再び腕を絡めて、学校に向かう・・結局、靴を履き替える所以外はずっとこのままで何なら教室まで続いた
「皆~wおはよーーーw」
必要以上に大きな声で詩織が挨拶すると、既に席についていて相変わらず取り巻きに囲まれてる彩羽が振り向くと
【ビシッ!】二人の間に閃光が走り火花が飛び散る
・・・・・・・・・・・・はぁ
取り合えず、自分の席に座る為、渋る詩織を宥めて離れる
【ピローン】
メッセージが幾つか流れてきてた
【雅君、聞きたい事があるので放課後は実行責任者室に来て下さい!】
【雅くん!彩羽との話本当なの?ずるい!、昼に詳しく聞きますから!】
【雅さん!、うち等の帰った後でぇ何やら彩羽さんと、おいたされたようやなぁ来週キッチリ説明してもらいますよってぇ】
【だ、旦那さん!ア、アタイ、そその・・今週末は、だ、大丈夫な日だしな!】
俺は無心でスマホの画面を閉じた
昼間の凛と恵美の追及は苛烈を極めた
「雅君!?どういう事かな?まず私達に内緒でディスティニーランドで3人とデートとか!そこから先ず説明してもらわないと!」
「そ、その雅くん・・い、彩羽みたいな女性が、そ、その好きなのかな・・、あ、アタシも、が、頑張るから、グスッ・・」
強い口調で責める恵美に、激しく落ち込み涙をにじます凛、出会った時と真逆の雰囲気になった二人を見てると
「聞いてるのですか!」「グスッ・何と言って欲しい・・グスッ」
身を乗り出し、強めにテーブルを叩く恵美の横でハンカチで目元を拭う凛に
「わかりました!、説明させて下さい!、ま、まず先に言いますと彩羽とは現地で偶然・・では無いかもですが約束してた訳ではありません!」
すこし寂しそうに彩羽が呟(その通りだけど・・そんな言い方しなくても・・)
「彩羽さんは黙っておいてください!!!」恵美に強めに釘を刺される
「あ、・・はぃ・・」
「それでは、空さんと静流さんとは約束しておられたのですね!」
「そ、それは・・空と静流が関西に戻る前にどこか連れてって欲しいと言われまして、そ、その静流にいたっては連れてかないと晩に一緒に寝るまでいわて・・」
驚く二人、と妙に納得してる彩羽と詩織
「は、はぁ?泊まって一緒に寝る~!!っ何考えてるんですか!静流さんは!」
「雅くんと一緒に・・いい・・それ・・いい・」
「ちょっと!凛ちゃん!何いってるんですか!ダメに決まってるでしょ!そんな不健全な!「恵美さん、これな~んだ~w
そういうと二人の前に【0.1mm】と書いた黒い箱を詩織が出すと、恵美の顔色が変わる
「し、詩織さん!そ、それをどこで!?」
「恵美?なにこれ?・・!?コンドー〇じゃない!、ま、まさか!」
「えええぇwこれは~この間の実行責任者室で、たまたま見た机の引き出しに何個か入ってました~w」
「そ、それは・・そ、その生徒会長が・・」
慌てる恵美に
「そうだよねーw、生徒会長が恵美が妊娠しないようにって毎日、補充してくれたんだよねぇーw」
「ちょっと!えーーーみーーー!」
凛は白い目で今度は恵美を睨む
「あれ?ちょい凛?これなに?」
彩羽がふと気付き凜の胸ポケットから、摘まんで取り出すと3枚つづりのコンドー〇が落ちた
「あ、こ、これは・・そ、そのこの間・・空が・・婚前交渉の話ししてて・・その両親に話をしたら・・その準備だけはと・・」
「と、とりあえず!、皆さんご飯をいただきましょう!うわーー今日の凜のお弁当美味しそう!!いっただきますーーー」
俺はとにかく弁当箱で視線を遮り、無心でお弁当をがっついてその場は難を逃れたのだった・・・
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