第52話 田舎王子 お風呂場に突貫される?

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「でも、みーくん今右手が使えない訳だし、こうして私がお世話するのが一番いんだよw」

何やら詩織は使命感に燃えていてその眼はキラキラしていた。


結局その後も、全部詩織に食べさせてもらった

「詩織さん、ご飯とても美味しかったです!全部僕の好きな味付けでした!ご馳走さまでした!」


お世辞抜きで、詩織の料理は俺の口に合っていてどれもこれも無理なく食べられる量にもなっていた。


「はいwお粗末様でした」


詩織は俺の食器も片づけキッチンで洗い物を始めた。


「詩織さん、僕お風呂に入らせてもらいますね、後で食器は僕が片づけるので置いておいてください」

そう頭を下げると、嬉しそうに手を合わせて微笑む詩織にこちらも自然と頬が緩む

「本当に何から何まお世話になって申訳ございません、本日は有難うございました」

そうもう一度頭を下げると、ウンウンと頷き詩織は洗い物に戻っていった。

部屋から着替えを取り、脱衣所で格闘しながら服を脱ぐと軽くシャワーで体を流すと髪の毛を洗い、体を洗った

「はぁ、右手が使えないと背中が洗いづらいな・・・」

【ガチャ】

「はぁ~いwお待たせーーw」


急に扉が開いたと思ったら詩織が入ってきた!


「うぇぇぇえ!?ちょっと!詩織さん!!!何で入って来るんですか!?」

体に大きめのバスタオルを巻いただけの詩織はキョトンと首を傾げて


「ん?だって、みーくん背中洗えないでしょ?」

確かにごもっともだ、今まさに困っていたところであった


「た、たしかに、そうですけど!これはダメでしょ!さすがにーーー」


『フフンフフンw』俺の話を無視して鼻歌を歌いながらスポンジにボディソープを付けると泡立て初めて


「あ、あの詩織さん、きい「はい、はーいwみーくん痒いところありますかーーー?w」

詩織は優しく俺の背中を洗い始めた。もう流石に観念して

「はい・・大丈夫です・・」

一通り背中を洗って、流してもらうと詩織は立ち上がり


「そんじゃぁ私もついでに洗っちゃおうかなーーw」

そう言うとバスタオルを外し始めたので、慌てて浴室から飛び出した。

体を拭くのと、着替えに苦戦しながら何とか下着を履くと


「みーくん?下着は履けたかな?」浴室からヒョコっと顔を覗かせて俺の姿を見て最低限パンツだけ履いてるのを確認すると再びタオルを巻きなおして脱衣所に出てきた。

「ほらーー背中を向けて後ろと髪の毛拭いてあげるからーーw」

そういうと、詩織は髪の毛と背中を大きめのタオルで拭いてくれて髪の毛もドライアーで乾かしてくれた


「クシュン」


詩織を見ると、ずぶ濡れですっかり湯冷めしてる、詩織が俺をみて「エッチw」と微笑んできた。

僕の事はいいから早く温まって来てと浴室に押し込んで、脱衣所のドアを閉めてリビングに戻ると何とかトレーナーに着替えた

キッチンに入り食器を片づけようと思っていたが元の場所に綺麗に片付いていた。



暫くすると、脱衣所の方から洗濯機を動かす音が聞こえ扉が開くと詩織が出てきた・・・・俺のトレーナーを着て・・・


「あ、みーくんwこれ借りちゃってるよーーw」


ブカブカの服なので詩織の肩は丸出しで下着の紐が見えてる

「あ、あのぉ詩織さん?寝間着はご自分のを着る方が・・」

すると詩織は頬を膨らませて

「えぇぇぇえw私の着替え明日しか来ないから、今日はみーくんの貸しといてよw」


そう言われると断る事も出来ない


「それはそうと、みーくんに聞かなきゃならない事があるんだよねぇー」

少し詩織の空気が変わったように思える、周りへの圧も強い


「みーくんのその腕の怪我さぁ、空さんと静流さんが関係してるって聞いたんだけど、ちょっとお話しいいよね?」

そう俺の方に詰め寄る詩織の圧に負けて後ずさりしてると、ソファーに躓いて座ってしまった。

ソファーに腰かける俺の膝の上に詩織が片足を乗せて上から俺の顔を覗き込む、その眼にいつものハイライトは無かった。


「せ、説明を・・させて下さい・・」


俺は六橋さんとの公園での出会いや、七星さんが許嫁を破断にするつもりで俺に仕掛けてきた事、それが元で六橋さんと七星さんが争う事になった経緯、そして鬼道君の暴挙、覚えてる限りで詩織に説明した。


「つまり、空さんを助けるつもりで一堂流の【解放】を使ってからよく覚えてない・・と」

俺は真剣な表情で頷いた。


「そっか、みーくんが嘘つくはずないし本当なんだろうけどその【解放】って危険じゃない?」

「そうだね、師匠からは俺の心の成長が足りないから制御出来ないって言われた、そのためにも許嫁達と交流して心を成長させるようにって」

実際あまり理解出来てないけど、詩織達と過ごし学ぶ事ができたらあんな悲劇を起こさなくて済むと言うことなのだろうか?


「そっかw七星さんとか六橋さんとの出会いがきっかけでって所が不満だけど、みーくんが私達に興味を持ってくれたことは素直に嬉しいよw」


詩織は一応は納得してくれたようで、ようやく俺の上から降りてくれ、横に座りなしてくれた。

「今度は私達の話ね、実は私達今朝6人全員で会ってきたのよねw」

驚きだった、六橋さんの怪我が軽傷だろうことはある程度判っていたが、七星さんも含め、他の4家全員が顔合わせしていたとは、全く知らなかった。


「私達の顔合わせと、みーくんへの紹介は済んだので各自で行動するんだけど、その中で少し厄介な話があってね」

詩織は何やら言いにくそうにしてるが

「みーくんに伝えるのは私の役目なんで、端的に話すと今度の体育祭で両校の女子同士で競い合って勝負する事になったの」

「へぇ勝負するの?なにやらそんな色の強い体育祭とは聞いていたけどね」


「でも向こうは七星さんと六橋さんが結構な自信を持ってるようなんだけど、みーくんから見て二人の実力はどうかな?」

俺は六橋さんと七星さんの戦いのシーンを思いだし

「二人とも、抜群の運動神経だったよ、特に七星さんのスタミナと素早さは断トツだろうね」

詩織は少し考えるそぶりをしていたがトンデモない事を口にする


「女子の部同士のポイントで私らが負けたら、みーくんは西王学園に転校する事になってるの・・・」





波乱の体育祭が始まろうとしてる。




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