第43話 田舎王子 【解放】する

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●そのころの雅と空



俺は全力で走るが、さすがに空を抱えてでは思ったように早くは走れない

「もうすこしです、空さん!」


しかし、後ろから気配が迫る、このままでは出口までに追い付かれる!

俺は仕方なく立ち止まり、近くの木を背に空を座らせると追いかけてくる男達に対峙した。


「オイオイ、お兄さん俺たちのお楽しみを連れていっちゃ困るよw」

「そうそう、その子を置いてお家に帰ろうねぇ」


3人が俺を取り囲む


「なぁこのまま鬼道に渡すの勿体なくないか?」

「そうだなwこのまま俺達で美味しくいただこうぜw」

「ああ、こんな上玉一生抱けなぇよw」


もはや俺の事は眼中に無いのか、男たちは欲望のまま空を襲う事しか頭に無かった。




【空さんを守るには、解放するしかない】


【練成】

【解放】

俺は腹の丹田に力を籠めると、いつも抑えてる力を開放した。

どす黒い感覚が意識をもっていく、俺は悪漢達に

「おいお前ら、覚悟は良いな?もう無事ではすまないぞ」

俺は自分が暴力的になるのを感じたが、この場は致し方ないと黒い衝動に委ねる事にした


「なになにwお兄さん、そんなボロボロでなんかすんのぉ!?ぐへっ」

俺の寸勁が男の顔面をとらえると、鼻血を吹き出し5メートル近く吹き飛んで失神した。


「なっえ?!何した?いつの間にっ!?ゲホッ」

振り返る男の顔にハイキックを叩き込むとクルクルとコマの様に回転し顔面から床に叩きつけられ昏倒した。


「おっおまえ!いった!?」

素早く屈み、顎に掌底を叩き込むが以前のチンピラにしたのと違い寸勁を入れての掌底に男の鼻、目、耳、口から血が滲み出る。

3人を一瞬で仕留めた

ふと公園の入口にを見ると急停止して停まったリムジンから二人の女性が駆けてくるのが見えた。


「「雅君!」」


駆けつけたのは、恵美と凛だった


「恵美!、凛!、空を安全なところ迄連れていって治療しろ!」


事情が分からない二人は俺の気迫に頷くしか無く、凛が空に付き添い恵美が車まで人を呼びに行ったのを見ると「恩に着る!」そう言い残し、俺は元来た道を全力の縮地で駆け戻る






●場面は七星と鬼道達



「はっはっ・・・くそ!」

七星の足元には4人が倒れていたが、周りには未だ20人以上残ってる


「おーおー流石、セブンスターw簡単には抱けないって訳だ、でもそう言うのが後で燃えるんだよなぁw」


「はっはっはっ・・・ちっ、言ってろ!」

鬼道の目配せで、男の1人が七星にバットを振りかぶって襲い掛かる


【ドゴッ】「くっ」両手をクロスして防ぐが、疲労と痛みで気合をコントロールできないまま打撃を受け七星の腕は鈍い音をあげる。


両手が使い物にならなくなり、ダラりと下がる

続けざまに背後から角材で殴り掛かられ背中に思いっきり一撃喰らった七星は吹き飛び前のめりで倒れ込む


「うっぐっ・・くっそ・・てめーら」

必死に起き上がるそぶりを見せる七星の右肩を鬼道が蹴り上げる


「ぎゃぁぁぁー」


仰向けになり右肩を押さえて悶絶する七星を、ニヤニヤしながら跨ぎそのまま七星のお腹に腰を下ろすと


「イヤー絶景だねぇ孤高のセブンスターも今こうして俺の股の下で藻掻いているwイヤーもう興奮しちゃうねぇ~w」


よだれを垂らしながら、七星の顔を覗く鬼道の顔に

【プッ】

七星が唾を吐きつける、その唾を指ですくい長く伸ばした舌で舐めると、七星の頬を思い切り殴りつけた

「アガッ」口の中が切れたのか口元から鮮血が垂れる七星、鬼道が他のメンバーに合図すると七星の頭を持ち上げ口を開けさしベルトを巻き付けた


「お楽しみの最中に、舌を嚙まれちゃ興ざめだしよwお前の可愛い喘ぎ声が聞けないのが残念だがw」


そういうと七星のブラウスに手をかけ引き裂いた

【ビリッ】と音をたて無残に敗れたブラウスの中から紫の下着が露わになる

【おおおおおおっすっげーー】

周りの男達の下卑た歓声が挙がる

「お前を頂いた後で、六橋も頂くとするかwあ、そうそう今日出会った、東皇高の二人も近い内に・・・w」


七星はくやしさから、金色の瞳に涙が滲む

「おいおい、泣くのは早いぜwお前の初めてを奪ってやるからそれまで取っとけよw」


そう言い七星の下着に手を伸ばす












【ドカッ】





鬼道は七星の上から吹き飛び茂みの前のベンチの背もたれに頭から突っ込んで気を失った。


「大丈夫か!静流!」

俺の顔をキョトンして見上げる七星


「あ?ん?静流??」

「なにボケっとしてる無事なら立ち上がって俺の後ろに隠れてろ!」


雅の迫力に気おされ、言われるまま背後に回ると


「てめぇら、俺の女に手を出して無事で帰れると思うなよ」

気合をいれ威圧すると、数人が怯んだ、その瞬間に縮地で懐に入ると寸勁を叩き込み一瞬で5人が倒れていた。

俺は、倒れた一人の右腕に足をのせると【地割れ】を使い【バキッ】と乾いた音と共にへし折った。


腕を砕かれた男は失禁しながら地面を転がりのたうち回った


【う、うそだろ・・・バケモンだ・・・】






「俺を怒らせたお前らの責任だ、全員地獄を見せてやるよ」


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