第27話 田舎王子 生徒会に呼び出される

同日同時間 帰宅後の三宗家・・・・



恵美は内心焦っていた、


詩織は雅君の事を誰よりも深く知っており、私達には話てない事も沢山あるはず、何よりその容姿は現役アイドルすら裸足で逃げ出すほどの美しさだ。


彩羽も、その容姿とスタイルでは詩織に引けを取らない、そして同じ職場で働くモデル同士というのは何者にも代えがたいアドバンテージだ二人きりになる機会は他の3人より圧倒的に多そうだ。


凛ちゃんは、華やかさでは先の2人には遅れをとるが、その名の通り凛とした美しさと清潔さは神秘的だ、しかし女性としての魅力は他の2名に比べて若干見劣りすると思っていた。

私は先の3人に対し容姿の美しさでは遠く及ばないと事を自覚していたが、事料理に関しては自分の方が一歩も二歩も優位にいると安心していた。


その絶対の安心感が凜の作った手料理を食べた瞬間に音を立てて崩れてしまった。


横で凜のオムライスを食べて絶賛する雅に不安を感じ、大好きなはずの凜に対し激しい嫉妬すら覚えて自己嫌悪に陥い折角のお弁当も半分しか食べれなかった。


自宅に帰り自分のお弁当の残りを見て、食堂の出来事を思い出し恵美は床に崩れた。


(どうしよ・・・このままじゃ・・・私・・・・)


絶望に目の前が真っ暗になりそうな時に、ふと頭によぎるのは雅の大きな背中と優しい笑顔だった。


恵美は強く目を閉じ自分の両ひざを強く叩くとスクっとその場から立ち上がり、父のいる書斎に向かう。

【コンコン】

「私です、恵美です、お父様にお願いがあり参りました」


【入りなさい】


書斎に入ると、父は私の真剣な表情から直ぐに応接ソファーに座りなおして私にも座る様に促した。


「お父様に、お願いが有り参りました」


「うむ、私に出来るであれば力になろう・・・」


「では、今回の・・・・・・」


お父様は「悪い様にはしない、何とかしよう」と願いを聞き届けてくれた。

私もなりふり構っていられない、五十嵐家は全力で凜ちゃんを支援してる、恐らく二階家も四葉家も・・私だけが、遅れを取るわけには行かない!


(例え、三宗家の忖度だと言われても!私は決して雅君を諦めない!)


そう強く心に決め、今後のプランを練るのだった。







翌日の学校のロングホームルームにて・・・・


先生が連絡事項を伝えようとした時、【ピンポン】と構内放送の合図が流れてきた

『2年A組  一堂 雅君 至急 生徒会室まで来てください』

そう構内放送が流れてきた。

先生は、頷き俺に生徒会室に向かうように促した。

「先生、では失礼して生徒会室に向かいます」


そう言うと教室の後ろの扉から頭を下げて退室し、3階にある生徒会室を目指した。

【コンコン】

「2年A組 一堂 雅です、お呼びと伺い参りました」

『入って下さい』


聞きなれた声の主がニコリと微笑み目の前の席に着席と促す。

周りを見ると現生徒会長の先輩がニヤニヤしながら俺と恵美を交互に見やる。


「初めましてだね一堂君、私が東皇高校の生徒会長 立花 澄花(たちばな すみか)だ君の噂は良く耳にしてるよ」

俺は立花会長に頭を下げて自己紹介をした。

「会長には初めてお会いします、僕は2年A組 一堂 雅です、今年よりこの東皇高校でお世話になる事になりました、今後ともご指導ご鞭撻よろしくお願いします」


礼儀正しく挨拶したつもりだが、立花会長は面倒そうに手をヒラヒラさせて

「あーーそういう堅苦しいの要らないから、もっとフランクに話そうよーーー」


俺は恵美をみると、軽く苦笑いをして頷いた。

立花会長は悪戯ぽく笑うと恵美の方をチラッ見て今日の本題を話を始めた。


・・・・・・・


・・・・・・・・・



・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・てことで決定したから!よろしくね~w



・・・・・・・


・・・?!




「ええええーーーえ!?、俺と恵美さんが今度の交流体育祭の運営責任者!?」



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