剥いたささくれ、食べるか捨てるか

八百十三

第1話

 ささくれが出来た時。皆さんどうしていますか?

 小さなハサミや爪切りなどで根元からカットする、というのが理想的な処理方法、とよく言いますし、実際それが一番痛くないし面倒にならないやり方です。

 が、筆者は大抵、剥いてしまいます。

 指で引っ張ったり。歯で噛んだり。

 その結果、よく出血します。出血せずに剥けたとして、剥いた後は硬くなってしばらくしたらまたささくれになります。剥けた皮の端っこも、新たなささくれになります。

 なので筆者の指、特に爪の周りはささくれを剥いた後とかさぶたで荒れています。特に両手の親指が酷いものです。日本酒好きで、スーパー銭湯にもよく通い、ミストサウナでたっぷり塩を使うタイプゆえ、肌そのものはよく人から褒められるほどに綺麗なので、対比がすごいです。

 玉に瑕、と言うにはあまりにも痛々しく、また自業自得ではあります。

 こうしたささくれなどをわざわざ剥いたり、噛んだり、いじくったりを無意識にやってしまうのは「皮膚むしり症」と言うそうで、筆者も悩んでメンタル系のお医者さんに相談したことがあります。

 実際、無意識ですし、剥こうと意識する前に触ったり剥いたり、ということが多いです。ストレスへの対処としてそうしている感じが多いので、そういうことなんでしょう。


 で、それはそれとして。

 ささくれを剥いたとして。あるいは切ったとして。

 そのささくれを、どうしていますか?


 問いましたが、選択肢は多くないと思います。

 たぶん、か、か。とっておく、という人はほぼいないと思います、恐らく。

 これもまた、「なんで?」と問われても筆者には答えられません。これもまた無意識だし、そうすることに何かの理由があるわけでもないからです。

 筆者は捨てるも、食べるも、両方ともやります。その時その時の場所とか気分とか、いろんな要素が絡んできますし、同じ状況でも捨てると食べるをそれぞれやることがあります。

 ただ、食べるとなるのは指のささくれだけで、爪のささくれは捨てます。筆者は尋常性乾癬も患っているため皮膚の角質がポロポロ剥がれ落ちるのですが、この角質も自分で剥がしては捨てます。

 元々、何かにつけて頭を掻いたり額を叩いたりと、頭周辺に刺激を与えることで落ち着きを得るタイプだったので、ついつい触ってしまう、というのも習慣になってしまったんだろうと思っています。そして触る故に触れたささくれや角質を剥がす。

 お医者さんにも相談したことは上述した通りですが、「そうすることでメンタルが安定するのなら、無理に治療してメンタルが不安定になるよりそのままの方がいいのでは」ということで、特に治療等をすることなくそのままにしています。乾癬に関してはどうしても見た目上の問題があるので、皮膚科で塗り薬を処方してもらっていますが。


 捨てるにしろ、食べるにしろ、ささくれを剥くと痛いですし、勢い余って出血することもあります。

 しかしそうすることで、メンタルの不安定さを落ち着かせることができる人も、事実います。

 あなたの指先がぼろぼろになっていたとして、それがあなたを苦しめているのなら、もちろんしかるべき対応は必要になるかと思います。

 必要に応じて専門家の力を借りながら、あなたにとって一番いい落としどころを探してもらえればと、当事者として筆者は思っています。

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剥いたささくれ、食べるか捨てるか 八百十三 @HarutoK

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