第14話 幸せの崩壊
幸せが崩れていく音がする。
ガラガラと、音を立てて。
傷口からどくどくと血が溢れるような、あるいはその傷口を抉られるような。
そんな不吉な光景を、目にしてしまったのではないかと。
心臓が煩い。
ズキズキと頭が痛む。
幸せだった二人の家は、いつから壊れてしまったんだろう。
家に帰ったら彼氏の浮気現場に出くわしてしまったなんて、あまりにもありきたりで笑えない。
零れ落ちた涙のその先で、歪んだ笑顔を作る誰かが言った。
「バッカみてぇ」
ははっ、と乾いた笑い声を上げるその人が、自分の彼氏だなんて思えなかった。
足音。
確かに重力を感じさせるその質量が、地獄のように思えて仕方ない。
「ねぇ、なんで俺のこと好きになっちゃったの?」
そういった貴方が一番苦しそうな顔をするから、何も言うことができなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます