第11話 嫌い愛

朝焼けの景色が、嫌いだ。

暖かくて、柔らかくて。

胸の奥の弱いところにまで触れられてしまいそうだから。

無性に怖くて、なぜか泣きたくなる。

きゅうっと存在を主張する心が、僕はまだ生きていると叫んでいるような。

そんな瞬間が好きで、なのに嫌いで。

どうしようもなく僕の心を揺さぶるこの景色が。

どうしようもなく、大好きだ。

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