勝手にしやがれ

saito sekai

1話完結

友人Eが、家に遊びにきた。なんでもとっておきの怖い話があるそうで…


「それでもって、後ろを振り返って見ると、その兵隊服の男は消えていたんだよ!」

私は反論する。

「だって、横道に入ってたかも知れないじゃないか、思い過ごしだぞ、ぞっとしない話だな」Eは言い返してくる。


「今、ぞっとするって言ったな!やっぱり怖がっているぞ、お前」

「馬鹿、ぞっとしないって言うのは、“面白くない”って意味だぞ、感想を押し付けるなよ」

「推し?お前誰か好きなのか?俺は昭和レトロだから、沢田○二が好きなんだ」


Eとの噛み合わない会話に思わず「勝手にしやがれ」と呟いてしまった。するとEは何故か白いスーツに着替え、カラオケを歌い出す。あまりの音痴に逃げ出した。外は雨、なんで…俺の家なのに…


窓からは、下手な歌声が漏れていた。完

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勝手にしやがれ saito sekai @saitosekai

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