いない?

私は体力的にも精神的にも落ち着き、出社できるようにまで回復した。


昼食を取りに、久しぶりにレストランへ行った。

私はカウンターへ、堤さんと他のメンバーは個室で食事を取っていた。


「でさあ、彼女抱き心地よくないんだよね。マグロで反応もイマイチ…」


堤さんの声だ。

私の反応を他人に話している。


「それをペットにしているんだから、すごいですよ、先輩」


「根暗だし、ロフトで寝ててもちょっと萎えるよね」


私はこの空間に居たくない。


会計だけ済ませて外に出た。

この日、私は早退した。



私は公園でぼーっとしていた。

寒い。

頼れる人は何処にもいない。


荷物はそのままにしてきた。

こういう人ってどうしたらいいのだろう。

背の高いコートを着た、無精ひげの男性はこう言った。


心療内科へ行きなさい


そんな気がした。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

先輩と後輩のねじれた関係 milly@酒 @millymilly

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ