先輩と後輩のねじれた関係

milly@酒

愛している事に気づいていない

 私の友人で不思議ちゃんがいる。彼女の名前は田中絵里、27歳。

 仕事ではバリバリ。キリッとしていて完全にキャリアウーマンだ。何故平社員なのかは後で記述する事にする。

 一方で、私はノンビリしている。私の名前は玉置波。26歳。係長。仕事は普通だが、上司が言うに私の人格から統率力があるという。そうかな?と思うけれども、上司が言うのだから信用してみる。

 何故田中さんが私より上なのにヒラなのか。それは、遅刻癖があるのだ。知り合いに電話で起こしてもらっているらしい。


 田中さんは私に懐いている。

 長電話で毎日3時間はくだらない。私が無言になっても、焦って他の話を振ってくる。

 ネズミこうでもいけないから、私は田中さんにさらっと尋ねてみた。


「私に電話をしてくれるのは何故?」


「同年代の友達がいるのは嬉しいから」


私にも同年代の女子友達はいない。

歓迎だ。


 ある時、私はカマをかけた。これで彼女が思っていることがわかるはず。



「あなた、私の事好きでしょう?」


「ん? ん?」


誤魔化された。

もうこういう質問はしない事にする。


あと、彼女は恋愛の話をスルーする。100パーセントスルーだ。聞いてないし話題を変える。だから私は、聞く事をやめた。


しかし、私には男女2人のチャットを作って内容を見せたりと、よくわからない行動を取る。

昔の彼氏の事もたくさん話す。

私の話は聞いてないし。スルーする。


スルーしながら自分の話はバンバンする。

私は聞くだけ。だから、スマホをスピーカーにして家事をしながら話を聞く。


ある日、車に乗りたいと彼女は話した。道の駅に行きたいと。


私は自家用車を出して、彼女を山梨県の道の駅に連れて行った。

都心では森を見る機会はないらしく、助手席から珍しそうに見ていた。

そして、道の駅のキッチンで鮎ご飯とポトフ、りんごパイを堪能した。


帰り、車を自宅に停めて、隣町の繁華街に繰り出した。

夕食を取った後、喫茶店で長話をした。


やっぱり、会話NGはたくさんあった。

話にならないので、喫茶店を後にした。彼女もついて来た。


駅のホームで、彼女は寂しさを見せた。

私は、身を引く事にしているし、そうすれば

バイバイ、と手を私が振ると、彼女は手を振らず、私は振り続けた。

 ようやく彼女は手を振った。

 私は自分自身を守る行動をとった。

 

深夜、彼女からLINEがあった。


今日の振り返り。クネクネみちの真ん中にある道の駅で温かいものを食べた事、そして、ご当地ラーメンを食べて嬉しかった事、私がご当地の河原せんべいを私が渡した事。


今日の全てが楽しかったようだ。


彼女は私に好意があるのかないのかわからない。








 

 





 

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