異世界喫茶店(カフェ)〜異世界無双は他人に任せて俺は楽して生きていきたい!
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
第1話:俺の生活は安泰のニート生活……のはずだった
俺は猫柳晃市。ごく普通の高校1年だ。高1の晃市……は今はいらない情報か。
高校のみんなは高校生活にも慣れ、バイトや部活や恋愛と青春を楽しんでいるようだった。
そんな中、俺は家と学校の往復だった。なんなら学校も行きたくないけど。理想を言えば、家で寝て過ごしたかった。そして、それが俺には可能だった。
うちにはじいちゃんがいる!
じいちゃんは、もう働いてない。年金をもらって生きてる。人生の勝ち組。古いけど小さな家もあるので、家賃もかからない。じいちゃんは昔は店もやってたらしい。
年金って2か月に1回もらえるらしい。2か月分ね。いくらもらってるか分からないけど、普通の生活をするのには困ってないらしい。
ホントは高校も行かなくていいって言ったんだけど、じいちゃんが『今どき高校くらい出とけ』って言うからとりあえず行ってる感じ。
……だけど、じいちゃんが死んだ。まさか、こんな日が来るとは思わなかった。
ずっとこのままだと思ってた。もちろん、じいちゃんもいつかは死ぬとは思ってたし、永遠に生きるとは思ってないだけど、それはまだずっと先だと思ってた。
じいちゃんが亡くなって、 唯一の肉親がいなくなったっていう 寂しさも確かにある。それと同時に 俺は自分一人で生きていかなきゃいけないっていう不安も大きくなってきた。
純粋に、じいちゃんのことを悲しみたい気持ちがある 一方で、 俺自身の今後の不安もあって、 純粋に悲しむだけができないっていう自分の器の小ささを感じた。
じいちゃんが残してくれたものはそんなに多くない。まずは、じいちゃんが使ってたスマホ。これは割と最新機種でいいものらしい 番号を解約するのはなんだか寂しいので このまましばらく持っておこうと思う。
じいちゃんの部屋は 四畳半。もう一つだけある6畳の広い部屋は俺に譲ってくれた。 狭いじいちゃんの部屋には洋服ダンスが1つとちょっとした作業程度できる引き出しがある小さな机。 この程度しかない。
引き出しにはいくつかの書類と腕時計と……これは鍵? とにかく、こんなものしかなかった。 腕時計も別にそれほど高級品ってわけじゃなさそうだ。まあ、せっかくなんでじいちゃんのことを思って、一応腕にはめてみた。
鍵はどこの鍵だ? 分からないのでペンディング(先送り)したいと思う。 居住空間は 一戸建てと言っても平屋なのでそんなに広くない。
じいちゃんの四畳半の部屋と6畳の俺の部屋。あとはご飯を食べる小さなダイニングキッチン。この家が一軒家なのにこんなに狭いのには理由が ある。
それは 1回の広さの半分ぐらいが店舗になってる。実はじいちゃんが昔、店をやってたらしい。 いつか自宅のリビングに改装しようって言って たんだけど、全然実現できてない。
多分、お金がないんだろうなと思ってた だから、俺はあんまり聞かなかった。
そんな事もあって、店の方にはほとんど行かなかった。もう10年以上使ってないかな。じいちゃんも亡くなったし、俺はなんとなく店の方にも行ってみた。
そんなに広くない店舗。カウンターの向こうには 厨房機器とコーヒーを入れる道具がある。最初は 喫茶店だったらしいけど、お客さんの要望で段々料理を出すようになったって言ってた。
そのうち、体壊してたらもう体力的にもたなくなって店はやめちゃったって言ってた。店は思ったよりも綺麗だった。じいちゃんが掃除してたのかもしれない。
それか 自分の死期に気づいて掃除したのか、全く死んだ後のことまで考えるなんて……。じいちゃんらしい。結局、家中 回ってみたけど遺産はそれだけって感じ。
これじゃあ俺がこれが生きていくためには、なんか商売を始めないといけないってことか。じいちゃんが商売やめてもう10年経ってるから、付き合いもなければ、仕入れ元も心当たりがない。俺はとりあえず近所のスーパーに行くことにした。
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