第11話
準備は整った。
早速地上に侵攻したいところだが、一つ問題がある。
部屋から出ることができなくなったのだ。250階層で準備をしていると、いつのまにかこの部屋のボス認定されてしまい、自分から外に出れなくなってしまったのだ。
それと同時にこの部屋がなんか広くなって、ミノちゃん(ミノタウロス)達が暮らしやすくなった。
出る方法としては、ミノちゃんを一人犠牲にしてこの部屋のボスにし、俺は一般モンスとしてここを追い出されるか、誰かが挑戦しにきた時に一緒に出ていくしか、ない。
ミノちゃんは一人たりとも欠かさずダンジョンから出たいから、後者しかない。
しばらく待っていると、部屋の中に誰かが入ってきた気配がした。
気配を消して近寄ってみると、どこかで見たような顔だった。
「すごーい!一面雪だー!」
は?ここボス部屋なのに、めっちゃ呑気だな。後ろにドローンのようなものが見えるということは、配信者か?ここまで来るような配信者なんているんだな。
だが、配信者なぞに興味はない。さっさと終わらせて脱出だ。
「ボスは見当たらないなー、みんなは、見つけたら教えてねー。」
ミノちゃん達はそろそろこちらに来ているはずだ。
「奥?何も… いや、なんか砂埃が舞っているように見える。」
さて、俺の存在を認知してもらうために、ミノちゃん達に混じろうか。ミノ達と合流し、一緒に出口へ向かう。
「グオオオオ」
「え?ドラゴン?ミノタウロス?なんでこんなところに、こんな大量に?」
驚いているみたいだ。
「にげろー!」
逃げ切れるはずなどない。ドラゴンのスペックを舐めるな。
「原宿ダンジョンにいる人はにげてー」
「とりあえず、緊急転移魔法陣で逃げるから、また今度ー」
クソッ!逃げられた。新しい魔法陣が開発されていたのか。
あれ?何故か、近くにドローンが飛んでいた。
まあいい、配信は中止しているはずだ。気にする必要はないだろう。一人で潜った時よりは遅いが、おそらく10日ほどで着くだろう。
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