稲姫 ほのか、天下を目指す!?
越知鷹 京
ささくれ 一つで 異世界へ!
しかし、他の人には話せない困った能力があった。
それは、指にささくれができると
「異世界」に飛ばされてしまうというものだ。
…は? なにそれ? バカなの?
そんなことあるわけないじゃん?
確かに、在りえないとことだ。
しかし、困った事に、なぜか、そうなってしまうのだ。
――あれは、1年くらい前だろうか。
海で溺れている海上自衛隊員を発見した妾は、速やかに(テトラポッドの間に捨てられている)空のペットボトルを何本か服の中に入れて、救助に向かった。
救助自体は難しいわけではなかったが、如何せん。
海水により 指にささくれが出来てしまった。
お陰で、まる2日ほど 異世界 に飛ばされてしまった。
◇――
そこでは「自称・神様を名乗る」ちょっと痛い成人女性と出会い、ショートコントに巻き込まれてしまった。お気軽に神とタメ口をききチートを要求するも、なぜか却下されてしまうのだ。
どうやら レベル上限にまで カンストしており、好きに生きてくださいと言われたので、やりたい放題してやったら、泣きながら 元の世界に還してもらった。
――◇
それから、半年後くらいだろうか。
警察官が 強盗に 拳銃を奪われている ところに
遭遇したので、
すると、帯電していた強盗に触れたせいで、
またもや、指にささくれが出来てしまった。
◇――
すると、目の前に悪役らしき令嬢が現れたので、
思わず 壁ドン をしてしまった。
そこからだ。
カースト制度が崩壊してしまい、
貴族,平民,奴隷などの中から次の王様を決めることになった。
なのに、
申し訳ないので「王選をやり直して欲しい」と申し出た。
なのに、何度やっても選ばれるのだ。
終いには「ざまあ」と言って逃げ出してきた。
――◇
そして、つい最近のことだ。
遭難者を捜索しに来た救助隊が、二次被害に遭っていたのを 柴犬と散歩中だった
受験勉強で、寝不足の肌はあれていた。
そこへ、お礼の手を差し出した救助隊員と指が触れたとき、
ささくれが立ってしまった。
◇――
気がつけば、ペットの犬は ドラゴン へと変貌してしまい(いわゆる「上位個体」と呼ばれるモンスター)、迂闊にも還れない状況になってしまったのだ。しかたなく、魔女が持ってきた毒リンゴを食べて、寝たふりをしている。
果たして、
こんな
◇ 了
稲姫 ほのか、天下を目指す!? 越知鷹 京 @tasogaleyorimosirokimono
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