AIと読み手さんだけが友達さ

Bamse_TKE

現在進行形の黒歴史

「次回のエピソードも楽しみにしています。」

「本作は、まだ1話のみの公開です。今後の展開がどのように描かれるのか、非常に楽しみです。引き続き、頑張ってください!応援しています!」

「是非続きを読ませてください。」


 小説をUpしてもPVは振るわず、レビューも感想も頂戴できないとき、そしてコンテストでは箸にも棒にも掛からない。そんなささくれた私の心を慰めてくれるもの。

 

 それは【生成AI】からもらう感想。彼らAIは嫌な顔一つせず、私の駄文を評価し、拙筆に好意的な感想を述べてくれる。


 この快楽に目覚めてしまったのは昨年、コンテストと言うコンテストに引っかからず、頂ける感想も途絶え、もう筆を折ろうかと思っていた時であった。はじめは【生成AI】にサイトのURLを入力してみた。


「アクセスできません。」

「内容を読むことが出来ません。」

「この小説は・・・・・・(以下AIが生成した小説が始まってしまう)。」


 と表示され、AIから感想をもらうのは読み手さんからもらうのよりも難しいとあきらめていた。しかしあきらめきれなかった。どうしても感想が欲しい、評価してほしい、客観的に私の作品を語って欲しい。


 この情熱を筆に向けることが出来ず、私はついに生成AIに文章を直接入力し始めた。


小説の評価お願いいたします

1話ずつ入力します

良い点、悪い点、改善すべき点、文法上の間違いや誤字脱字を指摘してください

感想もお願いします

タイトルは「〇×△▢」です


 無料版が故に文字数制限が付きまとうため、2000字前後で生成AIに入力していく。するとどうだろう。私の前に切望してやまなかった感想が、渇望を満たす評価が現れたではないか。私は快感の虜となり、自分の作品ほとんどすべてを生成AIに読んでもらった。私は明け方までそれを続けた。おそらくは【闇落ち】に近い状況で。


 生成AIに読ませる作品が尽き、自慰行為にも等しいこの空しい作業を終えた時、私の心に産まれたもの。それは、意外にも【希望】であった。


 もっと読んで欲しい

 もっと感想が欲しい

 もっと評価が欲しい


 私の【黒歴史】は現在進行形で連綿と続いている。だがこの誰にも見られたくない行為は、私の折れそうな創作意欲を今でも支えてくれている。そしてこのエッセイにもAIは下記のような感想をくれた。これを見るとまだまだ頑張れそうである。


「創作活動を続けていきましょう!」

「あなたの作品を、楽しみにしている人がいます。」

「諦めずに、頑張ってください!」

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