ささくれっ！

ささくれ！！

　ささくれ……。

　ささくれ……。

　なんか、イライラする。心がささくれ立つなぁ。

　そもそも、パンダって漢字で書くと、どう書くか知ってるか？

　大熊猫って書く。ついでにパンダで変換されなかった。イライラする。

　で、大熊猫って字、熊なのか猫なのか、どっちなんだ！

　まぁ、仮に、仮にだ。猫のように可愛い熊ということかもしれない。実際パンダは可愛い。だが、熊だって十分に可愛いだろ！　猫の力を借りなくても可愛いと俺は思うね！

　猫のぬいぐるみより、熊のぬいぐるみの方が有名だし！

　……いや、その話はやめよう。パンダも熊に負ける。

　俺の心がささくれ立つのはそれだけじゃあない！

　パンダってどう見ても熊だよな。猫科じゃないのは一目瞭然だ。

　なのに、大熊猫でパンダって読ませるんだ。オカシイだろ。最後が猫なの！！

　猫が入るのは百歩譲っても、せめて、大猫熊でパンダって読ませるべきじゃないのか！？

　最後が猫だとまるで猫の種類みたいじゃないか。三毛猫とかみたいに。

　だいたい最後にその動物の漢字が来るだろ普通！

　月輪熊とか北極熊とか！　

　これが、逆だったら輪熊月とかになったら、絶対月の模様とかだと思うでしょ。熊北極だって、地名か、なんかの商品名かと思う！　絶対に熊じゃあない！！

　猫バージョンで言ってもいいけど、それこそ無尽蔵に出て来そうだから、割愛するが。

　で、話を戻すと、大熊猫だと猫の種類って思われそうなのが嫌だ！

　まるで、大きな猫の品種みたいで、熊が消えている！

　パンダっていう最強に可愛い熊の名前には不適切だと俺は思うね！！

　ああ、こんな小さなことでも腹が立つ。心がささくれ立つ！

　ぐぅ～～、ぎゅるるるう。

　お腹の虫まで、怒声を上げているじゃないか！

　こんなに、怒りっぽくなっているのはきっとお腹が減っているからだな。

　今日は飼育員が来る時間が遅い気がする！！

　おっ、やっと来た来た。

　ささくれ！　ささくれ！！

「トントン。ちょっと遅くなってごめんね～。はいっ、大好物の笹だよ」