貞操逆転世界で黒髪黒目の男は狙われるそうです

すりたち

弱小ギャングに保護された

 目が覚めると知らない土地にいた。日本のように見えなくもないが見たことのない景色が広がっていた。


「こんなところで何してんだ!?」


 いきなりそんなことを言われると同時に赤髪の女性に腕を掴まれ連れて行かれる。


 黒のワゴンは乗せられ、カーテンを閉めたところで話が始まる。


「お前男だよな?あんなところで何してたんだ?」


「え、あ、はい、男です。なんか気づいたらそこにいました」


 凄い剣幕で捲し立てられ少し気圧されてしまう。


「どっかの所属だったりする?」


「北高です」


 この人が何を言っているかよく分からないが、とりあえず高校の名前を言う。


「どこだよ、そこ聞いたことねえな」

「俺の通ってる学校ですけど」


 さっきからこの人なんなんだ。なんかおかしな人に絡まれてしまった。


「学校?何言ってんのそんなもんねえよ、所属のギャングはあんのかって聞いてんの」


「ギャングなんか所属してるわけないじゃないですか」


 すると後ろを向き「フリーの男?しかも黒髪黒目なんて...」なんてとぶつぶつと呟きだした。


「ちょっと俺の一存じゃ難しいから、アジトに連れ帰っていい?」


 俺もよく分からない場所にいきなりほっぽり出されて困ってたし、ちょっと助かるかも


「はい、お願いします」


 そう言うと、車の運転を始めどこかへと向かい始めた。


「名前は?」


「天海カイトです。そっちは?」


「ミラノ、ただのミラノ」


 見た目からして日本人っぽくなかったが、やっぱりそうだったか。にしては流暢だが


 その後も雑談を交え、少し友好関係を築いてきたところで、アジトらしき場所についた。


「ほい、それじゃ私に着いてきてね」


「うん」


 頷き、言われるがまま着いていく。そのまま建物の中に入っていき、廊下を抜け奥の扉を開けると中には2人組の女の人たちがいた。


「お、全員揃ってんじゃねーか」


 そう言うと全員がこちらに振り向き4人の視線が集まる。


 少しビビってしまいミラノの後ろに隠れる。


「おい、あんまビビらせんなよ」


 とミラノが言うと


「いやそんなつもりじゃなくてっ」


「びっくりしちゃって」


 と4人ともが焦ったように弁解を始めだした。その姿に笑えてしまい、少し緊張が解ける。


 2人組の1人がチョイチョイっと手招きをするとミラノがその中に行き、内緒話を始めた。


「おい、あれ男よね?」

「どこで見つけたんですか」


 と凄い勢いでミラノが詰められている。


「なんか拾ったんだよね、迷子らしくて。私も詳しいことは分かんねえからとりあえずアジトに連れ帰ってきたって感じ」


 手招きされ呼ばれたのでとりあえず近くによる。知らない人に囲まれ、人見知りを発動させた俺はとりあえずミラノの隣に座る。


「おー?懐かれてるじゃない」


 ニヤニヤしながら揶揄かわられる。


「いやそんなんじゃねーって」


 ミラノは顔を赤くしながら、そんなことを言ってるが満更でも無さそうだ。ちょっと嬉しい


「とりあえず色々と話すか」


 ミラノが強引に切り出し話し合いが始まった。


 

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