第2話 再調査と……

翌日。

龍に乗るドラゴンランサーというのを知ったのだが、俺はそんな便利そうなのはないなと思っていた。

ところが、俺の役職を再調査した時に驚かれた。

2つの役職を兼持していたようで、俺も驚いた。

「ど、どんな役職とヴァルキリーなんだ?」

「他の方々は確かに合っていたのだが、まさか2つの役職を持つとは……驚いたよ。ワシも便利な2つを持っているなんてな」

「便利な2つ?」

「ヴァルキリーとドラゴンランサーだ。まぁドラゴンランサーはというと、槍メインの役職でな、火を吹くドラゴンを扱い、悠々と空を舞う役職だ」

「マジ?」

「うむ。逆に討伐にも使われるのでな、大体分かる人はわかるじゃろう」

「な、なるほど……しかし、その……」

言っている間に隣にドラゴンが現れていた。

しかし敵意はなく懐いている。

「お前さんならその子を扱えるだろう。ただ、言葉もわかるはずじゃ」

「言葉?」

「うむ。話してみぃ」

「あ、ああ」

そのドラゴンに視線を向け、「おはよう」と言ってみた。

『おはよう! 喋れるドラゴンは珍しいかい? 俺はセリカ、ドラゴンだよ!』

「おおう、ホントだ。他の人はわかるのか?」

『わかんないよ。ただ特例除いて……』

「特例か……」

と考えていると、レンがじっとドラゴンを見る。

「喋れるドラゴンか……異世界にはこんなのもいるんだな」

「え、わかるのか? 俺はわからんぞ」

「レストさんはわからないんだな……」

「すまんな……」

「謝らなくて良い」

なるほど、レンは特例ということか。

レストはウォーロック、レンはパラディン(+龍と喋れる)、ミーハルが賢者、俺がヴァルキリー+ドラゴンランサー、そしてドラゴンのセリカだ。

しかし、こうして見てるとドラゴンも可愛いと思える。

『そういえば、レンとムウニテル、だっけ。案内人も俺の言葉がわからないみたいだぞ』

「え、そうなんだ……」

『あと名前は来る間に教えてもらったけど、いい名前だな』

「なるほど。そうか」

『因みにみんなを乗せて移動もできるぞ。この人数ならな!』

「ありがとう。早速最初のクエスト行こうか」

『そうだな!』

ということでギルドのとこで依頼を確認して最初の依頼を受けた。

街の外に出てからが冒険の始まりともいわれているが、少し考えている。

「問題はこの場所に行くまでに敵とエンカウント……じゃない、遭遇しないかだな」

『乗せて移動もありだぞ?』

「流石にそれはしない。しかし遺跡に行くとは……」

『そこの遺跡に秘宝があるって噂を確認したいからだろ? 行こうぜ』

「そうだな」

ということで歩いていく。

と、岩のモンスターが現れた。

ウォーロックのレストが草と水を混ぜて魔法攻撃。

ミーハルは祈りで仲間全員を回復。不思議だが彼女は祈るだけでメンバーを回復する力があるようだ。

レンが剣で岩のモンスターの腕を切る。

俺は龍の息吹を使わせ、その後武器でぶった切った。

それで余裕と言っても何だが勝てた。

ダメージが表示されていたため、そのダメージと体力を元に、戦っていたわけだ。

ロールプレイングゲームみたいな感じの感覚だ。

『遺跡は近かったみたいだね』

「だなぁ。でも敵が多いな」

わんさか敵がいるから蹴散らして言ってもいいが、流石にレストの魔力を考えると厳しい。

少し考えるが、リーダーらしきボスがいる。

岩のボスが向かってきた。

『任せて!』

レーザーみたいなブレスをぶっ放し、あっという間にザコ敵だけではなく岩のボスも倒された。

いや強すぎる。

という感じの疑問はあるが、どうやらこのドラゴンも俺と同じステータスだった。

どうやら共有のようだ。

歩いて行って、遺跡の中に入った。

といっても祭壇があるくらいで遺跡とはいい難かった。

周りがボロボロだったからな……本当はもっと長い道だったんだろうと思う。

その祭壇の中央に石があった。

それに触れた途端、光が走ってびっくりした。

【……勇者たちよ……】

「!?」

俺たちは驚いた。

【今より、全員に『勇者』の役職を追加付与する……】

勇者。

つまり、選ばれた存在という事か?

というと、【うむ】と返した。

【今の世界は、魔物が蔓延っていてはびこっていて、大変なことになっている。魔王を倒すのが最終目的だが、魔王はこの世界には居ない……】

「じゃあどうするんだ?」

【この宝石と同じ石を、あと3つ集めるのだ。道はそれで開かれよう……】

「分かった。それで、あとはどうするんだ?」

【あとは石が示してくれるだろう。そしてドラゴンランサーであるドラゴンも役に立とう……】

「お、おう。でも……」

【もう、選ばれた5名には言わねばならん。龍騎士の悲願があるのもある】

「悲願?」

【うむ。龍騎士は魔王討伐ではなく、治安維持のために過ごしておった。魔王襲撃時に生命を賭して戦い、果てた。それで今の一つの街が安全となったが、他はもう滅ぼされている。龍騎士の悲願、それは、魔王討伐と、治安維持が込められていたが、我が知るには遅すぎた。そのため、今のに託す事になる。どうか、魔王討伐をしてほしい。このままでは、また魔王が滅ぼしに来るだろう……】

「分かった。その願いを叶えよう! みんな、それでいいよな!?」

うなずく一同。

【ありがとう。石を持っていくといい】

「いいのか?」

【構わん】

ということで石を取り、しまった。

その後に、ギルドに戻ろうと思ったが、石は告げる。

【ギルドにいるとはいえ、戻ったら手間であろう。それに、今の街も恐らく持たん】

「持たないって……どういう事だ?」

【わからんか? 風向きが怪しいのに……】

「あっ……」

つまり戻ることは許されない。

そう、感じたため、どこに行くかわからないというと、石がデータを出してくれた。

その場所へ向かおうということになったが、ドラゴンに乗って移動することにした。

~ 続く ~

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