フゴッペ岬に伝わる龍神伝説の謎
神崎 小太郎
プロローグ
海岸線を抜けると、そこは琥珀色のウィスキーで名高い北海道の余市の里。その深奥には、地図にもない秘境、地元の人々から魔界と呼ばれる「フゴッペ岬」がそびえ立つ。その岬は、日本海の荒波にも負けず、天を衝く龍の如く威風堂々としている。
霧に煙る夜明けには、龍神さまがその洞穴から顔を出し、天へと昇る旅立ちを告げるという。洞窟の奥深くには、青く輝く幻想的な地底湖が広がり、いにしえの物語を刻んだ神秘的な岩面の刻画が、時を超えて語りかけてくる。
しかし、地元の人々は、一度足を踏み入れた者は二度と戻れないという龍神の伝説を恐れ、洞窟に近寄ることをためらう。
かつて、僕は東京で日本史の教師として働いていた。インターネットでその岬の不思議な秘密を知り、いつしか龍神伝説の真実を自らの目で見届けたいという想いに駆られ、この地の高校へと転任してきたのだった。
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