第12話 「貧乏な子と仲良くしなさい」と言われていた。
小学生の頃、私は特に何も考えずにクラスメイトの中でたまたま席が近い子と仲良くなる事が殆どでした。
しかし母は私の交遊関係についてあまり良く思っていなかったようなのです。
母はよく、「あんたはお金持ちの友達とばかり仲良くなるから良くない。お姉ちゃんみたいに貧乏な子と仲良くなりなさい!!」と私に言ってきました。
ですが私は別にお金持ちの友達なんていませんでした。
皆普通の一般家庭の子。
でも母からすると、私が友達と比較して母に
「自分も○○を買ってほしい。」と言ってくるのが相当嫌だったみたいです。
私が母にお願いするのは、別にそんな贅沢な事ではないんですけどね…。
例えば“友達のお弁当のように、おかずを入れる際にはちゃんとカップを使って入れてほしい。”という私の願いにも、母は「カップなんてそんなの必要無い。買わないよ!」と言って買ってくれず、いつもおかずの味が別のおかずに移りそうな物は適当にラップで包んでお弁当箱に突っ込んで入れていました。
そんな感じなので母の作るお弁当は本当に見栄えが悪く、友達に見られるのが恥ずかしかったんですが、母は私の気持ちなんて全く考える人ではないですからね。
そして母は「あんたの友達はお金持ちすぎる!」と言ってくるのです。
おかずを入れるカップなんてそんなに高価な物ではないのに…。
母は「お姉ちゃんを見てみなさい!仲の良い友達はみんな貧乏でしょ!あんたもお姉ちゃんを見習って貧乏な子と仲良くしなさい!」と言ってくるのでした。
確かに、私の姉の友達は事情を抱えていてあまり裕福ではない子が多かったように思います。
しかし私のクラスメイトにはたまたまそういった家庭の子は存在しておらず、私は普通に一般家庭の子と仲良くしていました。
(男子なら居ましたけどね…。)
母からすると、私が友達と比較して惨めな思いをするのはお金持ちの子と仲良くしてしまうせいだと思っていたようです。
母の中では戦後の時代で時が止まっているのでしょう…。
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