心をえぐる木のささくれ
Tonny Mandalvic
第1話
木のささくれ。おそらく主に木材がめくれていることをいう。
子供の頃、木材を使って遊んでいたり、ホームセンターに親につれていかれてささくれだった木を見ることが多かった。
どうしてだかよくわからないが、木を素手でさわってささくれだった木片が、手に刺さるということが多かった。
刺さったら当然駐車みたいなものなのでいたいのだが、深く刺さってしまうと毛抜きでも抜きづらく、結構面倒である。
年をとればとるほど、心に刺さり抜きづらいささくれのように深く自分を苦しめるような生きづらさを感じることが増えてきているように感じる。
「え・・・・、先輩結婚したの。」
友達からこの言葉を聞いて、僕は目の前が真っ暗になった。
高校時代から僕と付き合いの深かった、いつも僕の面倒を見てくれた先輩が結婚したらしい。
高校を卒業して何年もたったら、結婚する人は出てくるだろう。
しかしながら、どんなに頑張っても所得が低い男性、めぐりあわせの悪い女性など様々な理由で結婚できない人もたくさんいるのだ。
そういった人たちもいて、表面上おめでとうと言っている人でも傷ついているのだから結婚したときはあくまで事務的に言ってあげるんだぞ。
一瞬フリーズした僕は正気に戻った。
「ところで誰と結婚したの。」
「よくわからない。」
考えなおしてみたが、かわいがってくれていた先輩ならなんか連絡来るだろうといわれていたけれども、向こうも気を使ったのか、そもそも俺のことなんか眼中にないのかそれ以前に自分が連絡先を消していたのだから知らなくても当然かと思う。
こんなことで傷ついていたら人生傷つきまくることだらけなのかもしれない。しかしながらこんな些細なことでも傷ついたり、抜かないような痛みを感じたりする人間がいることだけは心の中に入れておいてほしい。
「でいつ結婚式行われたの。」
「2・3年前」
お前先輩に嫌われていたんじゃないのと言われても仕方がないが、卒業後連絡を取っていなかったら情報を得られないのも当然である。
どこか針が刺さって抜けない、面倒な痛みを感じながら友達と飲酒して、家に帰って寝た
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
心をえぐる木のささくれ Tonny Mandalvic @Tonny-August3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。心をえぐる木のささくれの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます