ヒロインなんてなりたくないので、替え玉を用意しました
里見 知美
第1話 アマリリス
そっか、私転生したんだ――。
そう気がついたのは、生まれ落ちてすぐの頃。
アマリリス・ピーコック。男爵令嬢だ。なんて高貴な名前をつけてくれるんだと文句を垂れるも、父の名前は、ルーズベルト、母の名前はアルストロメリア、兄の名前はヴァレリアン。両親も兄も素晴らしく長ったらしい高貴っぽい名前を持つため、致し方なく。
朧げながら覚えている前世の私は、社会人だった。事務職とは聞こえのいいお茶汲み係で、渡された書類を清書して封筒に入れて、それぞれの宛先に送るだけの毎日で、大して隆起の無い仕事だったと思う。ニコニコ笑って10時と3時にお茶を出して、お客さんが来ればお茶菓子とお茶を用意して、5時になったらタイムカードを押して帰るだけの仕事。ブラック企業でもなければ、全然忙しくもなかったし(それはそれでいいのかと思うけども)、ストレスも全くと言っていいほどなかった。
漫画も乙女ゲームも興味なかったのか記憶にないし、テレビでさえもあんまり見なかった気がする。なんで死んだのかは覚えていないし、なぜ前世の記憶があるのかもわからない。ただ、外から聞こえてくる声で、なんとなく、「ああ生まれ変わったんだな」と気づいただけ。
そんな私がこの世界が恋愛小説から派生した乙女ゲームの世界だと知っている。
と言うのは、アマリリスよりも5歳年上の、兄ヴァレリアンのご友人である辺境伯のご子息レイモンドが、生まれたばかりのアマリリスにそう告げたからだ。
君は「インペリアル・フラワーズ」という乙女ゲームのヒロインなんだよ、と。
この世界は恋愛小説から派生した乙女ゲームの世界で、君はヒロインだ。15歳の頃に魔獣に襲われた俺を助けて、聖魔法に目覚める。そして王都からキラキラしい聖騎士が君を迎えに来て、君は聖女として公爵家の養子になり、インペリアル王立学園に編入して王都で華々しい恋愛ゲームを繰り広げるのだ。
なんとレイモンドにも前世の記憶があった。私よりもずっとはっきり前世のことを覚えているようだ。彼は前世では女の子で、そのゲームを踏破したらしい。そしてまだ目も開かない赤ん坊のアマリリスに向かってこんこんと言って聞かせた。王都で繰り広げられる聖女アマリリスと5人の攻略対象者たちのラブストーリー。
第3王子との冤罪NTRあり(追放エンド)、冒険者とのドラゴン討伐冒険あり(死亡エンド)、聖職者との報われない悲恋あり(闇堕ちエンド)、教師との歳の差苦恋あり(監禁エンド)、宰相の息子との愛憎劇あり(溺愛エンド)。
……申し訳ないけど、どれも全く興味がない。何、そのなんとかエンドって何気に酷くない?
ってか、赤ん坊に何教えてんのよ。
何が悲しくて、そんな波瀾万丈な恋愛を好まなくちゃいけないんだ。普通に育む愛はないのか。まあ、どれをとってもそれなりに顔良し、爵位よし、立場あり、金有りのような感じだけど、将来性がないでしょう、どれもこれも。辺境の男爵家生まれの私的には、普通に結婚して子供を産んで生まれ故郷で平穏に生きたい。
まあ、そんなわけでもし前世の記憶があったら教えてね、と言われたんだけど。
この北の辺境伯領グラディノースはアンビリーバボーに住みやすく、食べ物も美味しい。レイモンドが前世の知識をこれでもかと発揮して、とんでもなく便利で住みやすい土地に仕上げているからだ。滅菌トイレも上下水道もお風呂もカレーライスもマヨネーズもかき揚げも天丼も、まだまだ王都には出回っていないんだとか。
時々辺境伯の使いっ走りで王都へ出向く父曰く、王都の川にはゴミや死体が浮かび、街には腐臭が漂い、汚物は路地裏に捨てられているらしい。富を表すために歯を黒く染め、男女共に体に良くないコルセットをつけ、匂いを消すために香水を振り撒き、とてもじゃないが食事をする気にもなれないとか。
コルセットって、男性もつけてたのか…。知らなかったな。お歯黒は水銀か鉛か何かを使ってて、歯がボロボロになって使用禁止になったんだっけ。この時代はまだ使ってるのね。って言うか、異世界のくせになんでヨーロッパの風習取り入れてるんだろう。
夏は絶対に行かないほうがいいとか、スライムを路地裏の清掃に使っているだとか、ちょっと今世で見ても考えられない生活をしているようだ。辺境に生まれてよかった。
そのファンタジー的な魔法生物スライムは、確かに体内に取り入れたものはゴミでも何でも消化するけど、浄化はしない。誤って触ったりしたら、酸液を飛ばされる。スライムの通ったあとは酸のせいで道路が変色して溶けるし、ぬめって滑りやすい。滑って転んでお尻が溶けたとか言ったら笑えない。兄曰く、あの滑りはスライムの排泄物だというけど、それなら酸性だと言うのも納得。結果としてデコボコ道になって整備に手間がかかるし、やっぱり汚い。まあ、汚物とか腐臭よりはマシかもしれないけど。
代わってグラディノースでは、道路は
滅菌トイレというのも各家に設置され、用を済ませ蓋を閉めると、備え付けられた魔道具で瞬間堆肥化されて乾燥した土塊のようになる。そして二重底の中蓋が開いて地下に落とされ、そこから自然に還るのだそうだ。
そして上水道。前世のように蛇口をタップすると綺麗な水が流れるので、井戸まで水を汲みにいく必要もない。その水は下水リサイクルで要所で浄化され、辺境中を流れている。トイレと上下水道は領地内の家全てについていて、清浄・清潔は領民の責任とされている。そのおかげか、以前は流行っていた黒死病とか感染症が無くなった、らしい。
らしい、というのは、私が生まれた時には既に整備されていて、物心がついた頃には、これが当たり前のようになっていたから。レイモンド様様である。というか、たった5年しか年が違わないのに、私が生まれた時には完備されてるってどんな天才児だ?って話で。赤ん坊に乙女ゲームの話をするだけのことはある。
話を元に戻すと、実は前世の記憶があるとは誰にも言っていない。
だって、乙女ゲームなんて知らないし、前世の記憶がうっすらあるからと言って、レイモンドのように貢献できるほどではないから。今の生活をありがたく甘受して、みんなと同じようにフツーに生活できればそれでいいと私は思う。
だけど一つだけ。レイモンドは自分が魔獣に襲われて、アマリリスに助けられるのだと言った。その時に私は聖魔法に目覚めるのだと。今のところそんな事件は起きていないけど、レイモンドは現在15歳だ。つまりそんな危険な事件がいつ起きるとも限らない。だから、と思ってこっそり聖魔法の訓練をしてみたら、問題なく使えてしまった。
えぇ?これって、やっぱりヒロインだからなの?こんな簡単に使えちゃっていいものなの?
「……まぁ、いいか。とりあえず、レイモンドにくっついて歩いて、もしもの時は使うしかないのね」
レイモンドはアマリリスに執着している。なんかめっちゃ溺愛されているという自覚もある。というか、さすがヒロインというべきなのか、誰も彼もが溺愛してくるので、時々驕り高ぶらないように自分を戒める必要もあるくらいだ。下手に驕って、王都に連れて行かれては敵わない。死亡エンドも、監禁エンドもお断りだ。
私だって辺境が好きだし、何よりレイモンドは私の初恋なのだ。
だってレイモンドは頼りになるし、頭いいし、強いし、しょうゆ顔で好みのタイプというか、安心できるというか。体もがっちりしてるから守られてる感じがするし、人の意見をちゃんと聞いてくれる。そう、レイモンドは聞き上手なんだ。だからゆっくり話しても、じっと待っててくれる。
すごくいい。
好き。
宰相の息子の溺愛エンドより、レイモンドの溺愛エンドがいい。いや、エンドじゃなくて、フォーエバーがいい。
「ねぇ、レイモンドが魔獣に襲われるっていつなのかわかる?」
「え?ああ、うん。それはもう、すんだことだから問題はない」
「えっ、済んだこと?って襲われたの?!」
「いや、そうじゃなくて。結界を作ったから」
魔獣に襲われるイベントは既に不発に終わっていた!?
乙女ゲームのストーリーでは、レイモンドが15歳の春、スタンピードの予兆があって警戒態勢にある時、街中に魔獣が現れた。そこに運悪く遭遇したアマリリスを守って、これまた都合良くその場に居合わせたレイモンドは魔獣と戦うのだが、鋭い爪で切り裂かれてしまう。それを見たアマリリスが魔力を暴走させ、魔獣は塵になりレイモンドの傷を癒すのだが、力及ばずレイモンドは片目と片足を失ってしまう、という。
アマリリス!役立たずじゃん!
それを考慮したレイモンドは、スタンピード対策の一環として辺境伯領に結界を作って、魔獣が入って来れないようにしたのだそうだ。辺境の兵士たちは当然魔獣討伐に定期的に出かけているけれど、最近では魔法士も増えたし、魔道具もあるおかげで防御力も戦闘力も上がり、割と簡単になったのだとか。
「結界」
「うん、頑張ったらできた」
あれ?結界って聖魔力が必要じゃなかったっけ?だから聖女が持て囃されるって教会で習ったけど?
「うん。俺、聖魔力使えるようになったから」
「え、そうなの?!」
乙女ゲームの中のアマリリスが聖魔法を使えるようになるのは、身内や大切に思う人を危険から守りたいと強く願ったから。つまりそんな事件をことごとく潰して仕舞えば、力を覚醒させることもない。なんてことをしたら、レイモンドが聖魔力に目覚めてしまったと。
レイモンドのヒロイン度がめっちゃ高い。これって強制力っていうものでは?
レイモンドは優秀で(本人曰く転生チートがあるという。なんで私にはないのだろうか)ほぼ全魔法が使える。もちろん治癒魔法も含めてだ。5歳の時には辺境の平民から貴族まで全員、最低でも初級魔法が使えるように、教育機関まで作った男である。
魔力は誰もが持っている。多少はあれど、ちゃんと努力をすれば魔力は増える。魔力の多い人は、平民でも高給の仕事を得ることができるため、サボろうなんて輩はいないのが現状だ。平民でも上級職に就くことも可能であり、給料も増えるとあれば、領内の活気も上がる一方だし選べる仕事の幅も大きい。元々畑仕事や畜産、森林業を営む人々が多かったから、土地区画整備も一気に進んだらしい。上下水道管理者や土木作業員、魔道具製作所の仕事が安定職とされていて、資格を取って他領に派遣される仕事もあるくらい。
レイモンドは技術を隠しては居ないので、知識は無償で教えている。だけど知識だけでは発展はできないから、近隣の領は辺境に教えを乞い、徐々に生活を向上しつつある。作業員や教員として派遣された人は、辺境からと派遣先からの給与が入るため、人気が高い。平民でも大義名分があるので、侮られることは少ないらしい。派遣員バッジには魔道具で録画録音機能がついているため、嫌がらせをしようものならすぐにバレる。下手をすればそこの領から全ての派遣社員を引き上げられるので、滅多に馬鹿げた態度を取る人はいない。
昨今では噂が噂をよんで、そこかしこから引退した冒険者や職人が移住してくるため、人材には事欠かないし、職人の技術も向上する一方だ。下手をしたら王都よりも栄えているのじゃないかと思う。王都には行ったこと無いからわからないけど。
なのに何故王都は変わらないのか、と言えば貴族のプライドの問題であるらしい。
王都の様に出来上がった街並みを変えたり、上下水道を通すのも多分難しいとは思うけど、とレイモンドも言っていた。人の数が違うからゴミ処理も別の方法を考えなければいけないだろうし、小さな領地がひしめき合っている分、区画整理も難しい。
何より辺境と王都では距離がありすぎて、向こうの貴族は
ただレイモンド的には、自分が王都に出張る事は無いから関係ないという。国から課せられた役割はこなしているのだから文句は言わせないし、王都を発展させないのは王都民(正確には王侯貴族)たちの勝手である。無理強いをされたら国から離脱する気も満々だ。さすが転生チート持ち。
ともかく。
私のヒロインとしての役割はなんだか終わってる、というか始まってさえいない気がする。このまま、私の聖魔法は誰に知られることもなく、封印してしまえば安心なのではないだろうか。しかし、レイモンドがヒロインっぽくなってしまっているのが気にかかる。恋愛は置いといても、レイモンドが王都に呼び出されて二度と辺境に戻ってこないなんてことになる可能性もある。物語の強制力は侮れないらしいから、憂いを除くためにもここはいっちょ、私が一肌脱ぐべきか。いや脱がないけど。
「そうだ。替え玉を用意しておきましょ」
私は決断した。
幸い平民の中には魔力量の多い人物が何人かいる。そして都会に憧れる女の子も数人いた。現実を知ってがっかりするかもしれないが、それはそれ。私はその子たちと仲良くなり、聖魔法の使い方をこっそり伝授。
しばらく教えてみた結果、得手不得手はやっぱりあるみたいで全員が使えるわけでは無かった。でも、ある程度の方向性を見つけた。聖女に向く性格というか意識というか。聖魔法を使う条件として、
私がそれに当てはまるかどうかは置いといて、レイモンドはピッタリ当てはまるのではないだろうか。レイモンドの聖女度が高すぎてマズい。
ひとまず、3人の女の子たちに聖女の素質があった。いるところにはいるのね、聖女って。
豊作である。
彼女たちの名前はそれぞれ、リリー、デイジー、ローズ。インペリアル・フラワーズのゲームタイトルにふさわしい花の名前の少女たちである。
リリーとデイジーは15歳、ローズは16歳になったばかり。この3人を「聖女としてあるべき」能力を約5年かけて最大値まで上げて、街の教会へと送り込んだ。ぎりぎりインペリアル王立学園に入れる年齢だ。
レイモンドに耳が腐るほど教え込まれた乙女ゲームの内容も、しっかり教え尽くしてある。攻略対象者を誰にするのか、誰を選ぶのかは本人に任せてあるし、あり得る結果も伝授した。その際の悪役令嬢の情報も込みである。もし攻略対象者を選ばないのであれば、やんわり退けるようにも伝えたから、あとは本人の自由だ。
ハーレムだけはモラルに反するのでやめてねと伝えた。愛欲に溺れては聖女ではなく性女だ。
「自分の人生は、自分でしっかり掴んで操縦するように」
「「「イエス、マム」」」
そうして彼女たちを送り出し、聖騎士団が3人を迎えに来た。辺境から3人も聖女が生まれたものだから、ちょっと困惑気味だったと後からレイモンドから聞いた。それに活気付いた辺境を見て目を輝かせてもいたらしい。
……目をつけられないように、近隣の領地も急ぎで向上させておこうかな。レイモンドの手を煩わせない様にバックアップしておかないと。レイモンドの能力が広まったら、王都に取られちゃうもんね。
その後。
彼女たちは辺境の素晴らしい技術のアレコレを王都で伝えたらしく、聖女たちに絆されたお貴族様たちが素直にその技術を取り入れ、王都も衛生面では確実に良くなったらしい。きっとみんなお歯黒とかコルセットとかやめたかったんだと思うな。香水とかも自分が臭いと思うから、隠したかったんだろうし。
学園に通う間にローズは王子様を見事落として婚約者になるも、冤罪で婚約者の座を蹴落とされた侯爵家の令嬢が平民に落とされて辺境にやってきた。この人、お話の中では後半で体が不自由になったレイモンドに寄り添い仲を深めていくのだそうだが、そうはさせるかぁ!
すかさず救済処置として、そろそろ結婚適齢期が過ぎる兄ヴァレリアンを充てがうと、元侯爵家の令嬢ヴァイオレットは、あっという間に美男子の兄(ヒロインの家系だからね)と恋に落ち、スピード結婚に漕ぎ着けた。名前までも「ヴァ」同士お似合いじゃないですか。
数ヶ月後、王子の浮気で冤罪にかけられたと知った侯爵家やら王家がヴァイオレットを取り返そうとやってくるが、時既に遅しだ。辺境のピーコック男爵家の次期男爵夫人として采配をふるい、お腹には新しい命も芽生えている。早いし!辺境での生活を堪能するヴァイオレット義姉様は当然王都に戻る事はなく、元家族を冷たく追い払っていた。強いな、さすが義姉様。
やらかした王子は王位継承権を剥奪の上、南の辺境ベルサロスへ送られた。あっちの方は魔獣よりも敵国が近いだけだから、生き延びる率は高いだろう。愛に生きる聖女ローズはちゃっかり王子について行き、聖魔法を行使しつつ、環境と技術の向上にも能力を発揮、南の辺境で大変ありがたく受け入れられているらしい。王子は一般兵になったけど、まあまあ幸せに暮らしているようだ。要望があれば、技術者を南まで派遣するから連絡してね、とローズには伝えてある。
二人目の聖女リリーは、ストーリーには全く出て来ないグリーンズ子爵家の嫡男といい仲になり、聖女を娶った褒美として伯爵に叙爵され、王都の東方にある領地を受け継ぎ、辺境のように土地区画をすると意気込んでいるとか。堅実である。
最後まで王都に残った聖女デイジーは、王都の魔導士宮に入り、辺境で学んだ魔法の使い方を指南しているという事だ。我が道を行くデイジーは、上昇志向で貢献意欲が3人の中で一番高かった。今後は、聖女育成にも力を注ぐようで、今後北の辺境に目を向けることは皆無となるに違いない。
全てが丸く収まって一件落着。余すところはレイモンドと私なんだけど。
兄がスピード婚をして、しかも早々に子作りに励んでしまったこともあって、現在、私は辺境伯家に転がり込んで、お義母様からいろいろ学んでいる最中である。
まあ、その。
私の方は結婚する前に
アマリリスの家族はまあ、生まれた時からレイモンドに執着されていたので、仕方ないとも思っているようだ。
「王都に取られる前に、念の為の処置で」
なんて、やらかしたレイモンドは言い訳しているけど。
レイモンドはお義父様から説教をくらい、辺境の兵士たちと訓練に明け暮れていて、私とは面会禁止令を出されているものの、毎晩内緒で転移しては私の部屋にやってくる。いや、お義母様にはバレてるんだけどね。妊婦な私が情緒不安定になるので、大目に見てもらっている。
「愛してる、アマリリス。ずっと俺のそばにいて」
なんて言われ続けたら、絆されちゃってもしょうがないよねー。えへ。
ひとまず、私の初恋もつつがなく実ったことだし、春には第一子が誕生する。すでに親バカになりつつあるレイモンドは、医療の向上に力を入れているらしい。たくさん作って、明るい家庭を築きたい。
多分前世の私もそれを望んでいるはずだと思う。
***
作者から一言。お歯黒は虫歯予防に使われていたくらいで、健康を害したことはないようです。アマリリスの記憶間違いですね。鉛を使っていたのは白粉だそうですよ。作者もうっかり。いい加減な記憶ですみません。
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