下剋上の塔
雛奈.
第1話 : 下剋上の塔 いざ栖呉半島へ
この世界には197の国が存在する…
そしてこの世界には
幾度となく繰り返される戦争に負け続けた今の日本に最下位から上に登る術は残っていなかった…。
少子高齢化問題だけでなく負けたことにより支払う多額の金品…それにより新たな武器などを生成することができず死人だけが増え 人口も増えず…
日本の人間のほとんどが上位に上がることを諦めていた。
そして長い年月が過ぎ、世界のほとんどが平和に満ちあふれていた…しかし、日本の経済状況、人口の減少問題だけは変わることはなかった…。
そんな時、送り主の名のない手紙が日本…いや、世界に送り届けられた。
「平和ボケした世界中の戦士達よ集え。
こんなよく分からない手紙に全世界の人々は困惑をしたが同時に馬鹿馬鹿しいとさえ思った…。
しかし、送られてきた人々はだれひとりとしてその手紙を破り捨てることはなかった。
理由は手紙に同封されていた栖呉半島行きの往復チケットと準備金…そしてなにより手紙の最後に書かれていた
「活躍した者には報酬として無限の賞金と自由を与える」
と記されていた。往復チケットのせいかおかげか、必ず帰れるんだと安堵していた。そしてなにより彼ら…そして彼女らもまた報酬につられていた…。
これから起こることの大変さ、恐ろしさを知らずに…
それから数週間後 指定された港にたくさんの人が集まっていた…聞くと2000万人の人間がいるという。
男…いや女子供、老若男女関係なく…。
そしてこれから適応力テストというものが行われ 栖呉半島に行くことの出来る人間かどうか決まるらしい。
その適応力テストとやらは以外にもあっさり終わってしまった。
不思議なことにまわりにいたはずの人間たちは数十人を残し一瞬にして消えてしまった…。
俺は不思議にも心躍らせていた、この先のことをなにも知らない俺は…いや、たぶんここに残った全員がそうなのだろう、皆の目が活気に満ち溢れていた。
そして、残った人間たちの前に1人の男が立ち
「よく集まってくれた優秀な日本人達よ…と言ってもこんなに少なくなってしまったか…まぁいい、それじゃあ君たちに特殊な能力を授ける。さぁ、この中へ」
いきなり知らぬ男に言われた事だが 残った彼ら彼女らは何も疑うことなく海に浮かぶ大きな船に乗り込んでいく…
中には目だけが見える服を着ておりそれぞれに白色のカードのようなものが配られそれぞれ色が変わっていった…。変わったのをみた女性はその色についての説明を始める。
「そのカードはあなた達のもつ属性の色に変わるカードです。赤は火の属性、青は水の属性、緑は風の属性、黄色は光の属性、紫は闇の属性、茶色は土の属性…2つ以上の属性をもつ者のカードは複数の色が1枚にでます。」
その説明に俺はひとつ質問をする…
「えっと…
その問いにまわりからはクスクスと笑う声や、適正がなかったんじゃないかとバカにしたような声が聞こえてきた…。
だが、まわりの声とは裏腹に女性はこう答えた
「白は先程言った中のどれにも属さない…つまりは無属性 数千万人に1人いればいいと言われるほど世にも珍しい属性なのですよ」
その言葉にまわりのざわめきがおさまった…それとは別のざわめきがおこったのだがそれを無視して女性は話を続ける。
「それでは属性も分かったことですし、次はあなた達の
そういうと先程とは違い 質のしっかりしたカードがそれぞれに配られそれを持つとそれぞれ文字が刻まれた。
刻まれたのは名前、レベル、
そして、それを見た1人が…
「だいたいの書かれてあることはわかりました。ただ この固有スキルというのはなんなんでしょうか?」
たしかにこれはみんな気になったはずだ、もちろん固有というくらいだからその人専用のスキルなんだろうけど…
「
なるほど、他とは被らない能力か…
「それで?俺らはこれから何をしたらいいんだ?」
また別の男が質問をする。
「
された説明を要約するとこうだ、俺たち…つまりここに集まったメンバーは日本代表として世界と戦う、その為にはまず仲間を集めチームをつくり味方と協力し強くなることが大事だという…。
その言葉を聞くやそれぞれが話し合いを始めていた。
俺もさっそく…とも思ったが今日はおとなしく休むことにした…。次の日に備えることも当然大事…だからな。
そして翌朝 俺は声をかけられていた…
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