貴方に幸せを

T.A

第1話

真っ黒に染った夜の冷たい雨

私の瞳に映るのは、

鉄パイプに押しつぶされた少女だったものだった

周りには、泣き叫ぶもの、唖然として動けないの、助けを呼ぶもの、写真を撮るものと、様々であるが誰も少女には近ずかない

誰一人として近づけないでいた

恵?―――

名前を呼んでも届かない

返事がない

もう顔さえも分からない

それを認識して初めて

自分の愚かさに悔いたのだ

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