ミューク・レコード/未来への記録
ミルク・ルピア/Milk.Lupia
地の文について
シナリオ的表現
神の視点との違いは、『小説の文章』ではなく『シナリオの文章』ということ。
まず、実物を見てもらおう。
こちら、作者の
『小説・始』
???「あ!クモのモンスター!」
まずはこのメンバーから紹介しよう。
赤みを帯びた茶髪ポニテ、目は炎のように真っ赤な瞳と少しの隈がある。背丈は俺より大きく、スレンダーな体つき。実は脱いだら結構(筋肉が)凄い。
名を、ヘルム・ヴァン・クロニクル。愛称はクロルだ。
クロルの指差す方向には、掌くらいのクモが数匹いる。あちらもこちらに気づいたようで、威嚇の体制に入っている。
「頼んでいいか?」
クロル「任せて!『ショット』ッ!」
クロルの弓から真っ直ぐ矢が放たれ、一匹のクモの頭に命中する。首無しになったクモは、10秒ほどじたばたしながら徐々に下に落ちていき、やがて動かなくなった。
『小説・終』
この文章は、多分ですが小説的な文章でしょう。「」の前に名前をつけていますが、pixivの名残です。今は無視してください。
これをシナリオの文章にするとこうなります。
『シナリオ・始』
「あ!クモのモンスター!」
少年の左後ろを歩いていたメンバーが、前方にある壁の上側を左手の人差し指で差す。
赤みを帯びた茶髪のポニーテール。真っ赤な瞳。目元には少し隈がある。肌は小麦色よりも白く、ピンクライトくらいの色をしている。背丈は少年よりも高く、スレンダーな体型をしている。
首には黒いチョーカーがあり、トップスは生地の赤いシャツの上から黒い革のジャケットを羽織っている。ボトムスはデニム生地のショートパンツと、膝よりも少し上までの長さの黒いタイツ、暗い茶色のブーツを身に付けている。
ショルダーバックの付け方で茶色の矢鞘を背負い、右手には弦が1mくらいある茶色の弓を握っている。
「クロル、頼んでいいか?」
「うん、任せて。」
彼女の指差す方向には、掌よりも大きいくらいの胴体を持つクモが3匹と、無数の白い糸の集合物がある。クモは黒い青色の体に、うっすらと毛が生えている。目は顔の右側に5個、左側に6個ある。手足は大きく、一本一本が指3本くらいの太さとまっすぐ伸ばせば30cmほどの長さをしている。
そのうちの1体は壁に張り付き、2体は天井からぶら下がっている。クモ達も彼らに気づき、ぶら下がってた2匹は手足を大きく広げながら、シャー、シャーと鳴きを威嚇している。
クロルは弓に矢を掛ける。矢をクモ達に向け、グイッと弦を引く。
「『ショット』ッ!」
真っ直ぐ矢が放たれ、ぶら下がっていた一匹のクモの頭に命中する。首が撃ち抜かれたクモは、10秒ほどじたばたしながら徐々に下に落ちていき、やがて動かなくなった。
『シナリオ・終』
ドラマなどで使われるシナリオの一番の特徴は、1から100までその場の状況、特に視覚的情報を具体的に書いているということだ。
理由として、脚本家が頭のなかでイメージした状況を現場にいる役者や関係者に正確に伝えるためだ。
そのため、いくつか点が目立つ。
『具体的、客観的な表現』
小説文だと、クロルの見た目については半分程度のみ伝えている。そして、瞳の色を炎に例える比喩表現を用いている。
ここで考えてほしいのは、100人中100人が炎の色=作者のイメージする色になるかということだ。
赤とイメージする人、オレンジとイメージする人、中には青とイメージする人もいるだろう。
その為、比喩表現はあまり用いない。
同様に、赤い髪の美女、整った顔立ちという表現もあまり使うべきではない。使う場合は、キャラクター達の発言やモノローグが良い。あるいはどんな顔かを具体的に説明した上でつけることが最低ラインだ。
掌くらいの大きさという尺度についてだが、これは読者層にもよるものの、比較的使っても差し支えない。
私のこの作品は中高生~大人くらいの人たちが読者層だと考えながら書いている。その為、ある程度安定したサイズのイメージを湧かせられると思われる。
また、少しという表現についてだが、これは仕方がないことだと割りきっている。
『目の下には○㎜の隈があり』などと書くと、読む上で違和感を残したり、一層冗長な印象を与えたりする。
『文字数』
わざわざ言う必要もないだろうが、文字数がかなり増えてしまう。
サクサク読み進めたい人などからすれば諄く、なんなら不愉快かもしれない。
しかし、十分に情報を伝えるということは次の点のようかメリットがある。
『混乱を防ぐ、整理をしやすい』
文字を多く書くと当然、混乱を起こしたり、情報に溢れてしまう。
しかし、ここで考えてほしい。
情報が足りない状況で秩序がなせるか?
状況を整理する際、そもそも整理するモノがないのにできるか?
ある程度足りない状態でも、読者にイメージしてもらうことでどうにかできる。全読者に徹底してもれなく文字を読んでもらうことはおそらく無理だろう。が、
例えば、もれなく読める人。
例えば、漫画関係者。
例えば、時間に余裕のある人。
例えば、同じネット小説ユーザー。
例えば、読書好き。
活字離れというものが目立っている気がする時代。とは言え、読む人はいる。
ストーリーを読みたいにしても、勉強・参考にしたいでも、漫画の原作として採用したいと言う人でも。
勿論、全文をシナリオにする必要はない。状況描写の際に少し意識的して書くことで、自分のイメージと読者のイメージを繋ぎやすい状態にできる。
ってことで今からちょっくら文章書き直してくる!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます