第4話 白紙の手相

「マルさん、手相をみてあげましょうか」


 てそう?


「ほら、こんなふうに手のひらに刻まれている模様のことですよ。

 この模様で未来を占うんですよ」


 家主さんの手のひらには、いっぱい模様がありますね。

 でも、ぼくの手には模様はないですよ?


「あらら、本当ですね。

 何も模様がないってことは、マルさんの未来はこれから自分で作っていくもの、

 ってことかもしれませんね」


 これから?

 じゃあ、ぼくの手にいっぱい模様を書いちゃいましょう!

 家主さんの手のひらも、こうやってこうやって、模様を変えちゃいましょう!


 だって、自分で作っていくものなんでしょ?

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る