5日後、隕石が落ちてきます
@shi0088
5日前
蝉が五月蝿く喚く8月のこと。季節外れの雪が降った。異常気象だとニュースにはなったが、あまり話題にもならず、1日を待たずに忘れ去られていった。
しかし、それは重大な予兆であった。
とある天文の研究機関では、研究者達が右往左往で大混乱。
「総理大臣に報告するべきだ」
「いや、短期間でろくな対策を取る時間もない。ただ、混乱を招くだけだ」
いつもは寡黙な研究者達が怒声をあげている。ただ事ではないことが起きていることは、ろくに知識もないバイトの自分にも把握できた。
間もなくして、バイトの自分を含めた全員が集められた。研究所の所長は、ンッンッと咳払いをし、話し始める。
「皆さん、冷静に聞いて欲しい」
所長の神妙な面持ちに、周りはざわつく。
「この日本に、5日後隕石が落ちてきます」
ざわつきはより大きくなるが、所長は落ち着いてと言わんがばかりに手を掲げた。
所長が言うには、こうだ。この話が広まれば、間違いなく混乱が起きる。だから、本来なら諸君以外への口外は御法度だ。しかし、家族、恋人、各々に大切な人がいるだろう。厳選した近しい者、それも秘密が守れる者に限り、口外を許可しましょう。そして、これをもって、所は閉鎖します。各々、避難を計画するなり、5日間を悔いなく生きてください。
解散、となってもざわつきは止まらない。という自分も頭の整理が追いつかない。
隕石??
5日後??
あまりに唐突で現実離れした内容に、自分のことのように思えない。いや、自分だけのことじゃないんだけど……
ただ、疑問符だらけの頭の中だけど、このことを共有する相手だけははっきりしてたんだ。
君だってね。
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