入学~悲しみと苦しさ~

nou

第1話 明るくけれどふと根暗

 明るい。

 向日葵のように、太陽のよう。


 夜には月のよう一等星のように輝いている。

 流石にそこまでは言われことはないけれど明るい性格で周りを暗くしない奴だとはよく言われる。


 前の学校、卒業したところでも担任にそうよく書かれていたのだから相当だろう。


 その通知表を見るたび胸が絞められるように痛かった。


 俺、あぁいや。僕、普段使いが俺だから途端にふと間違える。


 俺なのか僕なのか。


 まぁ、そんな話は良いのだ。


 明るい。それだけが取り柄みたいに何年も他人の評価を見せつけられついぞ終われなかった僕の演技。


 思うのだ。家でも無理に明るく、学校でも油断なく演じる僕。


 もはやどちらかもわからなくなる。

 だから苦しく、されどそれが的確な回答であると理解しているからこそ。迷う……。


 どっちが良いのか。

 そんな考えが嫌だ。

 他人を気にして自分を騙す。

 気味が悪い。


 だから僕は……!

「あれ? おい! かまやん!」

「あっ……。おお、きとちゃん!」

「やりぃ、かまやんと一緒とかついてるぜ」

「俺もだよ」


 そう言って肩を組み明るく振る舞う。

 うんざりだ。自分がひどく気色悪い。

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